■小暮卓史が新たに加入し、準備を整え臨んだSUGO。厳しい結果を糧にして、前へ進むことはできるのか?
SUGOラウンドは、レカロレーシングチームにとって特別な戦いだった。これまでになかったほど入念に準備を進め、結果を追い求めたのである。
しかし、チームが進むべき方向をスタッフみなが見据え、強い気持ちをもって迎えた7月24日(土)、25日(日)の予選・決勝では、思い描いていたような順位を得ることができず、86/BRZレースの厳しさを痛感することとなった。
8大会で2021年のシリーズが競われる86/BRZレースにおいて、レカロレーシングチームは、スポーツランドSUGOで開催される第4大会を重点レースと位置づけていた。
昨年のSUGOでは906号車の佐々木孝太、988号車の井口卓人ともにポイントを獲得しているが、ふたりは予選のタイムアタック中、コントロールラインを超える直前に赤旗が出るという不運に巻き込まれている。
計測されていればふたりともトップ3が確実のタイムだったが、だからこそSUGOでは勝負ができるという自信があった。
さらにこの第4大会からレカロレーシングチームに小暮卓史が加わり、909号車のステアリングを握る。
2010年のスーパーGT GT500シリーズチャンピオンをドライバーに迎えたことはビッグニュースだったが、これによりチーム体制をいっそう強化。また、SUGOでテストを繰り返し、マシンのセットアップとデータの収集に務めてきたのである。
23日の公式練習においても手応えを感じ、あとは2日間にわたる予選・決勝のコンディションにタイヤの内圧をしっかりと合わせ込み、ドライバーにマシンを託すだけと準備は整った。
そうして予選に臨んだにもかかわらず、井口の15位がチームの最高位と結果は想像していないものとなった。順位だけではない。予選で宮田莉朋の叩き出したベストタイムは1分38秒780。これに対し井口は1分39秒931で、トップとのタイム差が1秒以上も開いてしまったのである。