更新日: 2024.03.20 22:53
『BBS RI-A』大激戦の中、靱性が生み出す効能とは/GR86 BRZ Cup開幕スペシャル
Photo:Yukio Yoshimi
■ホイールが引き出すタイヤの限界性能
コンマ1秒単位の速さを競い合うモータースポーツの世界において、タイヤのグリップ力を支えるアルミホイールは勝敗にも少なからず影響を及ぼす重要なファクターといえる。特に交換できるパーツが限られたGR86/BRZ Cupではなおさらである。BRZを駆る井口卓人は、その足元にBBSの鍛造アルミホイールを選んだ。
スーパーGTとスーパー耐久レース、そしてGR86/BRZ Cupと異なるカテゴリーをすべてBRZで戦う井口。今シーズン、Team Takutyを立ち上げて、激戦のGR86/BRZ Cupに挑んでいる。
「自分のチームなので自分が選びたいパーツを採用できます。スーパーGTやニュルブルクリンク24時間レースなどをともに戦ってきたBBSのホイールには、絶対的な信頼を寄せています。GR86/BRZ Cupでもぜひ使わせてほしいとお願いしました」
足元に収まるのは、鍛造1ピースモデルとなる「RI‐A」。スーパーGTに実戦投入されるホイールとまったく同じ思想、デザインで作られた。細身な5本クロススポークデザインは軽量であることはもちろん、路面からの入力をしっかり受けとめられるだけの強靭さも兼ね備える。
BBSの象徴ともいえるクロススポークデザインは、遠心力が大きくなる外周に向かうほど、スポークが枝分かれしながら細くなる。力学を突き詰め生み出されたそのフォルムは、類いまれなるパフォーマンスを印象付ける。
「ほかの選手から、凄くしなやかなホイールだと聞いていました。剛性があるだけでなく粘り強さもあるので、ワンメイクレース用のタイヤとのマッチングがいいことは、あらかじめ想像できていました」と続ける。
実際にレースでは期待を裏切らないパフォーマンスを発揮した。RI‐Aを履いた井口のBRZは、シェイクダウンしたばかりにも関わらず、開幕戦のSUGOでいきなり第3位表彰台を獲得。さらに第2戦のオートポリスでは優勝をもぎ取ってみせたのだ。
「BBSを履いているとタイヤの動きがはっきりと感じ取れるのが大きいですね。どれくらい荷重がかかり、どれくらいタイヤが仕事をしているのか、しっかりと伝わってきます。タイヤのグリップがきつくなってきたときもコントロールできる感覚がしっかりと残っています。特にレース後半での強さを実感しました」と井口。タイヤのグリップ性能を支配下に置ける卓越したドライバリティが強みといえる。
「限界領域で安定的に性能を発揮できることが、真に優れたホイールである」という考えの下、同じファクトリー、技術、人の手で生み出されるBBSのアルミホイール。多くの強豪チームから選ばれるのは、BBSを履くべき確かな理由があるからなのだ。
2023年6月29日発売 auto sport No.1586より転載