F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。
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☆ ストフェル・バンドーン
レースというよりも実戦テストだった。2周遅れの55周、マクラーレンが初めて300km走りきれた。予選セクター速度すべて最下位、昨年のスーパーフォーミュラとの違いをどう感じたか。第2スティントをソフトで最長46周、その43周目に自己ベストタイム。タイヤを含め様々なデータを収集、ショート・シフトしながらいたわる彼の走りをOBのジェンソン・バトンはどこでどう見ただろう。
☆☆ ロマン・グロージャン
フェラーリのパワーユニットユーザー・チーム、堂々の予選トップ6。グロージャン自身のスピードと、フェラーリ供給コンポーネンツ(サスペンション他)の完成度にあらためて驚く。このポテンシャルを維持しつつ信頼性を高めること、それが2年目ハースのテーマ。中間チーム・バトルを熱くするグロージャン、ぎりぎりブレーキングが光る。
☆☆ アントニオ・ジョヴィナッツィ
土曜朝、目覚めたらデビュー戦。心の準備もなくパスカル・ウェーレインのシートに乗り込むことに。ザウバーはこんな事態もあろうかと合同テスト1回目に彼を2日間起用、約700km走らせていた。FP3に18周しただけで予選Q1、マーカス・エリクソンに0.183秒差の16位、そして決勝12位、ルーキー勢では“2位”。久々に登場したイタリアのホープ、フェラーリの国に必要な若いタレントに成長するか。
☆☆ エステバン・オコン
昨年マノー9戦すべて完走、ミスが少ない新人をフォース・インディアがスカウトしたのはよく分かる。初陣2日目には初コースのドライビング・リズムをつかみ、セルジオ・ペレスのタイムに接近。無難なスタート後、30周以上「アロンソ・レーシングスクール」に身を置き、終盤1コーナーでパスして卒業。合格点の1ポイント、移籍初戦をしっかり決めた。