ハースF1チームのチーフエンジニアとして今年で2年目を迎える小松礼雄氏。創設2年目の新興チームであるハースはどのようにF1を戦うのか。現場の現役エンジニアが語る、シーズン終盤のリアルF1と舞台裏──F1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラムの第16回目をお届けします。
早急に改善すべきレーススチュワードの問題
無線でのライバルとの駆け引き
ブラジルGPの出だしはあまりよくなかったですね。小さなアップデートを入れましたが、それでもやはり深刻なタイヤのグリップ不足に悩まされました。
そこで、金曜日の夜にフロント&リヤサスペンションのセッティングなどを中心に変更してタイヤの使い方を見直した結果、FP3ではフロント、リヤともに金曜より上手く使うことができ、ドライバーもふたりともハンドリングが改善し、良い感触を得ていました。
予選Q1ではロマン(グロージャン)が9番手タイムを記録しましたが、Q1でのトップ10入りはオーストリアGP以来(8番手)になるので、良いパフォーマンスだったと思います。
続くQ2の2回目のアタックでは、最終コーナーでちょっと安全にいきすぎた結果、10番手の(カルロス)サインツJr.に0.111秒届かずロマンは12番手止まり。良いラップをまとめていればQ3にも進出できたはずなので残念でした。
しかし、金曜日にあれだけ苦戦していたことを考えると、この結果は良しとするべきかなと感じています。やはり来年に向けての課題は金曜日、FP1からもっと良いセットアップで週末をスタートすることです。それに向けて今いろいろな面で仕事の進め方を見直しているところです。
レースペースには自信があるだけにポイント獲得を狙っていた決勝ですが、ロマン、ケビン(マグヌッセン)ともに1周目に接触を起こしてしまい、そのチャンスはなくなってしまいました。