まずロマンですが、まずまずのスタートを切ったものの、彼と(エステバン)オコンの真ん中に好スタートを切った(ストフェル)バンドーンが進入してきたんです。その結果、ターン1の出口でバンドーンのフロントウイングとロマンの左リヤタイヤが接触してしまいました。

 そのせいでややスピードを失ったものの、ロマンはまだなんとかオコンに先行していました。しかしターン6への進入で膨らんでしまいオコンに接触、大きくクルマにダメージを負ってしまいました。さらにこの接触の原因になったとして、後ほど10秒ペナルティを科されることになります。

 ダメージによるダウンフォースの低下を差し引けばその後のペースはまあまあ想像どおりだったのですが、なにせダウンフォースが抜けていたので実際のペースは上がらず、15位に終わってしまいました。

 一方のケビンですが、ターン2でバンドーンと接触してフロントのプッシュロッドを壊してしまい、そのまま0周リタイアとなりました。

 以前、このコラムでも振れましたが、ハンガリーGPでケビンが(ニコ)ヒュルケンベルグと接触した時に、FIAのレースディレクター、チャーリー(ホワイティング)から、「エイペックスの時点でほんの少しでも前にいるマシンにそのコーナーの優先権があるので、その場合はコーナーの出口でコース幅をすべて使ってもいい」という見解が出されていました。

 その事実を確認しているケビンは、ターン2の進入でわずかとはいえバンドーンより前にいたので、自分のコーナーという認識を持って出口でコース幅を目一杯使ったんです。

 それはそれで全然良かったのですが、問題はバンドーンの外側にリカルドがいて、バンドーンは行き場がなくケビンと接触し、その後リカルドにぶつかる多重事故になってしまいました。ケビンはリカルドがバンドーンの外側にいるのは見えていなかったので、バンドーンがそれ以上アウト側にいけないことは知らなかったのです。

 ここで僕が指摘しておきたいのは、毎戦代わるレーススチュワードのなかには、チャーリーの見解やさらにはハッキリと文字として書いてあるルールを理解していない人がいることです。今回もデレック・ワーウィックがチャーリーの見解を知らず、危うくケビンがペナルティを科せられるところでした。

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