2013年から2014年にホンダの技術部門のリーダーたちはなぜこういう選択をしたのかを考えるとき、傲慢だったから、あるいは無知だったからという見方ができるだろう。私の意見を言うなら、その両方だったのだと思う。

 ターボ、MGU-K、MGU-Hといった重要なエリアへの取り組みがどれほど大きなチャレンジであるのかについて、彼らは信じられないほど無知だった。そうでなければホンダは、マクラーレンが要求するコンパクトなサイズを受け入れたはずがない。マクラーレンの言う“サイズゼロ”コンセプトという難問を克服できるだけの技術は彼らにはなかったのだ。

 ホンダはそれを早い段階で白状すべきだった。確かにメルセデスは2015年にマクラーレンにパワーユニットを供給するのを渋っただろうが、FIAとバーニー・エクレストンが、マクラーレンがエンジンのない状態でいるのを黙って見ていたはずがない。ホンダはマクラーレンにデザイン上の自由を要求した上で、プログラムの開始を2016年に遅らせるべきだったのだ。

 しかし残念なことにホンダの技術部門の上層部にはそれだけの強さがなく、自分たちがこれから直面するチャレンジがどれだけのものかも理解していなかった。参戦する態勢を整えるための時間を十分に確保しない上に、技術力がないために成功する見込みのないプロジェクトでライバルのマニュファクチャラーに立ち向かい、その結果、2週間ごとに世界中に恥をさらす羽目になった。そんなことを続けていても、いい方向に進むはずがない。

 確かに2017年型パワーユニットのデザインと開発は失敗だった。しかしそれは2014年と2015年に作り上げたものと違って、うまく機能するものを生み出す必要に迫られた結果であろう。基本的にホンダがマクラーレンとのプロジェクトに失敗した原因は、2013年と2014年の技術陣営が過ちを犯したことにあり、その過ちを改めることはもはや不可能だ。

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