ウイリアムズの技術部門を率いるパディ・ロウは、シーズン中の開発によってゲインを得ようとするなら、やはりバージボードが焦点になると考えている。
2018年の新車発表では、まずハースが先陣を切り、ウイリアムズ、ザウバー、ルノーなどがこれに続いたが、各チームの新型マシンに共通する技術的特徴は、サイドポッド前端付近の構成がとても複雑であることだ。
特に複数のエレメントからなるバージボードの複雑さは、昨年の水準を大きく上回る。ロウによると、空力エンジニアたちがこのエリアの開発に努力を注ぐ傾向は、今季も続くはずだという。
「ご存知のように、2017年からのレギュレーションでは、バージボード周辺に新たなスペースが規定され、これまでになかった開発の自由が与えられた」と、ロウは言う。
「結果として2017年には、このエリアに投入される新デバイスの数が爆発的に増えた。こうした傾向は、まだまだ続くだろう」
「私たちのクルマ(FW41)を間近で見れば、やはりこの領域で、さらなる開発が進められたことが分かるはずだ」
「それは競争相手となるチームのクルマでも同じだと思う。なぜなら、昨年施行されたレギュレーションにおいて、まだ開発の余地があり、最も大きな可能性が残っているのは、このバージボード周辺のエリアだからだ」
今季のレギュレーションでは、全チームが採用していた『シャークフィン』と『Tウイング』が消滅し、排気流を利用した『モンキーシート』のコンセプトも見られなくなった。こうしたレギュレーション変更により、空力開発の努力はサイドポッド周辺に集中したという見方もできるだろう。
「昨年のTウイングとエンジンカバーのフィンは議論を呼び、誰もがその醜悪な見た目に不満を覚えていたことから、たった1年で姿を消した」と、ロウは述べた。