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F1 ニュース

投稿日: 2018.03.12 12:34
更新日: 2018.03.12 12:35

悲願の王座奪還に向け、高速レイアウト重視へと方針転換したフェラーリ/F1オフシーズンテスト総括(1)

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F1 | 悲願の王座奪還に向け、高速レイアウト重視へと方針転換したフェラーリ/F1オフシーズンテスト総括(1)

 オフシーズンテストが終了し、あとは3月23~25日に開幕するF1オーストラリアGPを待つのみとなった。順調にテスト項目を消化したチームもあればトラブルで走れなかったチームもあり、マシンの仕上がり具合が気になるところ。今回は全6回に分けて各チームの開幕戦の展望を紹介していく。 

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■メルセデスを打ち破るべくフェラーリが変更したホイールベース
 今年こそ、悲願の王座奪回を目指すフェラーリ。現時点で最後のタイトルは2008年のコンストラクターズ部門、ドライバーズ王座は前07年のキミ・ライコネンにまで遡る。栄光からは、もう長い歳月が流れた。

 昨季、F1テクニカルレギュレーションに大幅な改革が行なわれた1年目、フェラーリ開発陣はシャシーに他車とは異なる技術アプローチを採った。規定変更がありながらも大半のチームがクルマの基本コンセプトを大きくは変えなかったのに対し、マラネロは大胆に手を入れたのだ。独創的なサイドポンツーンデザインもそのひとつだが、まず最初の出発点としてショートホイールベースの採用があげられる。

 ホイールベースとは、そのクルマの性格の根幹を成すものだ。一般にショートホイールベースは低速レイアウトや直角コーナーの連続するコースで、クルマに優れた回頭性をもたらす。

 ただその一方、高速安定性には欠けるきらいがある。フェラーリの前年型というのは、まさしくその傾向を体現するクルマだった。セバスチャン・ベッテルが全5勝を挙げたコースはいずれも直角コーナーの連続を持つか低速型で、高速レイアウトではメルセデスの牙城におよぶことはなく、結果タイトル争いに敗れることになった。

 それでも16年の未勝利シーズンから較べれば、5勝は大きな前進だ。同じく予選のポールポジションも16年のゼロから、5回を記録するにいたる。ベッテルのドライバーズ部門、コンストラクターズランキングとも2位に甘んじたわけだが、技術的トライの価値はあった。


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