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F1 ニュース

投稿日: 2018.03.19 10:30
更新日: 2018.03.19 10:31

【特別インタビュー】トロロッソ技術責任者ジェームス・キー(2)ホンダと共通するスピリット、新車STR13について

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F1 | 【特別インタビュー】トロロッソ技術責任者ジェームス・キー(2)ホンダと共通するスピリット、新車STR13について

──2018年はパワーユニット規則が変わってから5年目、シャシーの規則が変わってから2年目の年です。STR13の設計を始めたとき、どの領域でより多くの進化が必要だと感じましたか?

「実際、いくつかの領域で改善が必要だったと思う。昨シーズンのマシンには何点かの強みがあったが、それと同時に弱点もあった。STR13に関して私たちが取り組もうとしていることは、レギュレーションの1年目から学んだことだ。STR12で得た強みはそのままに弱点に対処する。しかしライバルたちにも注意深く目を向け、彼らの(序列での)位置や、私たちがどうなっているかを理解したい」

「シャシーに関して言えば、サスペンションの設計ではかなりの部分でやり方を見直さなければならなかったが、それには対処した。現在のレギュレーションで上手く機能してきた部分については、もちろんそのまま維持していくが、すでに2019年に関しては大きな変更を見据えている。ホンダのパワーユニットを搭載することの、いい面を活かしたい。STR13はそれまでのアドバンテージを生かす設計を上手く施すことできた。それは当然ながら、ホンダのパワーユニットだからこそ成し得たことだ」

「昨シーズンの私たちにとって、シャシーのもっとも緊急の課題は空力だった。なぜならここしばらくは見たこともなかったような、大きな空力の規定変更があったからだ。ボディワークのレギュレーションが変わったからというだけでなく、タイヤのサイズも大きくなった。F1マシンのようなオープンホイールのマシンでは、空力面でタイヤが大きな役割を占める。昨シーズンは何が上手くいき、何が良くなかったのかを理解しなければならない。昨年の私たちはたしかに問題を抱えていて、それが速いマシン開発をするという望みの妨げとなっていた。正直に言うと、ライバルたちが私たちを上回る仕事をしていた場面も目にした。2018年のマシンでは、そのことを念頭に置いてやっていきたい」

「2018年のマシンにはいくつかの大きな変更を施したが、空力面でも同様のものを進行中だ。これはまだ完了していないもので、シーズンを通して継続していきたい。シャシーでは段階を踏んだアプローチを望んでいる。開幕戦のメルボルンに最終形態のマシンを持ち込むことはできない。そこでは、序列のできるだけ上位という、必要な位置へと私たちを導くマシンにつながるものを持ち込むことになると思う。前にも言ったようにアプローチは段階を踏んでいくが、すべて正しい状態になっていることを保証するために、今は開発時間の大部分を空力面に割いている」

──お話にあったように空力はかなり重要な要素です。それ以外で、今年の開発のなかで重要になるふたつの領域はどこですか?

「先程も言ったように、パワーユニットを搭載する作業は非常にうまく進んでいるし、短い時間のなかでホンダとともに最適化の作業をとてもうまく行なってきた。ある領域では新しいアプローチを考えついたことが助けになっているので、マシンのパッケージは間違いなく、そうした作業の恩恵を受けている。たとえばギヤボックスなど、新しい構造のなかでやってきたことは、間違いなく2017年のマシンに対する仕事よりも優れている。3つ目には、空力のコンセプト変更があげられるだろう。まだ進行中の作業ではあるが、正しい方向へと進んでいるようなので、今後の数カ月で恩恵を受けられると期待している」

──ホンダであなたと同様のポジションに就いているのは田辺(豊治)テクニカルディレクターです。彼とどのように仕事を進めていくことを期待していますか?

「これまでのところ、私たちは楽しく会話をできているよ。私たちが話し合ってきたことのなかのひとつが、このプロジェクトをもっとも効率良く回していくためには、どのように手を取り合っていけばいいのかということだった。そして、透明性のあるアプローチが最適だろうということで同意した。そうしていけば、健全な関係が築けると思う」

第3回につづく


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