F1アゼルバイジャンGPでのバルテリ・ボッタスは、コース上のデブリによってレースを終えることになった。メルセデスのクルーは破片の存在に気づいたものの、そのタイミングは遅すぎたという。
最後のリスタート後、レースをあと2周残す時点でボッタスは首位を走行していたが、彼のマシンはカーボンファイバーの鋭利な破片を踏み、右のリヤタイヤがパンクしてしまった。
メルセデスF1チームは、それまでに起きた何度かのインシデントによってコース上にデブリがある可能性を警戒しており、ルイス・ハミルトンとボッタスの両名に注意を促していた。
しかしながらひとかけらのカーボン片が見逃されており、メルセデスのピットウォールがその破片に気づいたときには遅すぎた。
「我々にはデブリが見えていなかったので、彼に警告していなかった」とトラックサイドエンジニアを務めるアンドリュー・ショブリンは、メルセデスの公式動画で述べた。
「我々が最初にデブリに気づいたのは、彼がバンプを越えていくときだった。それが彼にも見えていなかった理由だ」
「彼がデブリに向かっていくのが見えていたが、それは0.5秒から1秒の間のことで、無線でコース上にデブリがあると伝える時間はなかった」
「もしデブリが見えていたら警告していただろう。他のアクシデントについては、多くの周回でそうしていたのだから」
「我々はドライバーたちがデブリを避けられるように、コースのきれいな部分へ導こうとしていたのだ。残念ながら今回はすべてが遅すぎた」
「バルテリにとっては本当に残念なことだった。彼は週末を通して素晴らしい走行をしており、レースをしっかりとまとめ上げていたのだ」
インシデントが起きる可能性が大きく、周回を追うごとにセーフティーカー導入のチャンスは高まっていた。そのため、メルセデスはできる限りボッタスをコース上に長くとどまらせる作戦を採っていた。