清々しい緑が映えるレッドブル・リンク、コース上には熱風が吹いていた。中東バーレーンGPより高温、今年最もホット・コンディションに。タイヤの変調ばかりか、すべてのシャシー・クーリングなど相当悩ましい変化だ……。

2018年F1第9戦オーストリアGP決勝、PPスタートのバルテリ・ボッタスはマシントラブルでリタイア
2018年F1第9戦オーストリアGP決勝、PPスタートのバルテリ・ボッタスはマシントラブルでリタイア

 結果論ではなく個人的な見方として。ここに全く新しいサイドポッド(エントリー部分12CM後退)などを投入したメルセデスは、今季最高温度条件に対する“適正セットアップ”ができていたのだろうか。従来スペックならふんだんにデータはあっても、金・土曜の実走行だけでは少ない(はずである)。これが2台に起きたトラブルの“遠因?”とは言えないものの、やや気になったことの一つだ。

 ポールポジションタイム62秒台寸前までいった超ショートラップ・コースだけに、レース展開で何か異変が起きた際の判断は、迅速に行わねばならない。14周目、ボッタスにトラブルが発生。メルセデス陣営は慌てた。原因究明を急ぐと同時に、VSC発令でピットストップ戦略の決断もしなければならない。

 首位ハミルトンはステイアウト、上位メンバーは躊躇せずここでソフトに交換。残り56周をカバーできるはずだ(金曜データでは)。前に触れたようにハミルトンは前が安定すれば攻めのペースで行くタイプ。リヤタイヤのスライド・コントロールは絶妙でも高い路面温度なので滑る分、タイヤ内部の蓄熱状態が進む。やがてそれが表面の気泡化(ブリスター)に現れ、とくに左後輪センターが顕著に。こうなるとグリップは弱まり、さらに滑り量が増え、修正によって前輪も厳しくなる。

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