ここで話は、がらっと変わる。土曜日の予選後、ホンダのモーターホームにロバート・クビカが入って行くのを、偶然目撃した。ホンダの幹部が外で出迎えていたぐらいだから、単に日本食を呼ばれに来たのでないことは確かだ。ウイリアムズのリザーブドライバーを務めるクビカが、なぜホンダに招かれたのか。

 その答えは翌日、山本雅史モータースポーツ部長が教えてくれた。クビカはかねがね、ホンダのモータースポーツ全般を統括する山本部長に会いたがっていたのだという。そこで以前からクビカと親しいある外人ジャーナリストが仲介し、話をすることになったという。

「30分ほど話しましたけど、特に具体的な話題は出ませんでした。純粋に雑談です。名刺をかわそうとしたけど、『ま、お互いに相手が誰だか知ってるし』(笑)。なので、連絡先も知りません」。

 とはいえクビカが用事もないのに、わざわざホンダに来るはずもない。ラリーで大けがを負い、一時は現役復帰をあきらめたクビカだが、F1マシンを運転できるところまで回復を果たした。「五体満足のドライバーに、速さでかなうはずがない」という批判もあるが、ウイリアムズのテストでは二人のレギュラードライバーにコンマ7秒以上の大差を付けている。

 けれどもロシアとカナダのスポンサーの額に及ばず、レギュラーシートを獲得できなかった。しかし彼のF1復帰の意思は、今もまったく衰えていないと考えるべきだろう。ではなぜ、ホンダだったのか。レッドブルやトロロッソのドライバー選択に、山本部長が大きな権限を持っていないことは、クビサも十分承知しているはずである。それに関しては、クビサを紹介した外人ジャーナリストからある程度事情を聴いているので、また別の機会に紹介できたらと思う。

■トロロッソ・ホンダの不振の一因は、チームとドライバーの経験不足

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