スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。F1への活動に一区切りをつけたフェルナンド・アロンソだが、2019年シーズンはデイトナ24時間、そしてWECとまだまだレース活動への意欲は衰える気配がない。
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2018年にフェルナンド・アロンソが参戦したデイトナ24時間レースは、当時まだ発表されていなかったトヨタからのWEC世界耐久選手権への序章に過ぎなかった。
不思議なことにアロンソは、マクラーレンF1チームのCEOであるザック・ブラウン率いるユナイテッド・オートスポーツから、リジェのLMP2カーでプロトタイプクラスに参戦した。彼を優勝候補とみる者はほとんどいなかったが、プレッシャーなしに耐久レースを初体験することは、アロンソにとってまさに必要なことであり、彼は見事なパフォーマンスを発揮した。
2019年のデイトナ24時間は、アロンソにとって“元F1ドライバーとしての参戦する最初のレース”として記念となるだろう。今回の挑戦で小林可夢偉と組むアロンソだが、彼は今もトヨタのドライバーであり、2018/2019年スーパーシーズンの残りのWECレースに引き続き参戦する。その後、新シーズンとなる2019/2020年の契約を更新するものとみられている。
将来に向けて多くのことが準備されているが、アロンソの2019年の活動は、デイトナ24時間レースから始まる。正確に言えば、すべてはデイトナ24時間の公式テスト『ロア・ビフォア・ロレックス24』と最初の『予選セッション』ですでに始まっている。
実は、この“予選セッション”はデイトナ24時間レースに向けたドレスリハーサルのようなものだ。予選結果は、レースウイークエンドに向けて各チームがピットガレージの場所を選ぶ順番にしか影響しない。だがもっとも重要なことは、そこで各マシンのスピードが初めて示されることだ。