2018年からホンダのパワーユニット(PU/エンジン)に燃料と潤滑油を供給しているエクソンモービル。今年からホンダはパワーユニットをレッドブルにも供給。もちろん、レッドブルが使用している燃料と潤滑油もエクソンモービル製だ。開幕戦オーストラリアGPが行われたメルボルンには、エクソンモービルのF1プロジェクトの中心となるデビッド・ツルサキが来ていたので、お話をうかがった。
──姓が「ツルサキ」ですが、日本とは何か縁が?
ツルサキ:私の祖父が福岡出身で少年時代にアメリカに移住しました。1900年ごろだったと思います。カルフォルニアやオレゴンで生活していたそうです。私の父はシカゴへ移り、私はシカゴで生まれ、育ちました。名前はツルサキですが、国籍はアメリカで、残念ながら日本語も話すことはできません。
──ホンダとの仕事をスタートさせたのはいつですか。
ツルサキ:トロロッソ・ホンダとの仕事を開始したのは、2017年の年末から。しかし、われわれがホンダと仕事をスタートさせたのは、じつはマクラーレン・ホンダ時代の2015年。そこでわれわれは2年間、ホンダとともに燃料と潤滑油の開発を行っていたことを忘れないでほしい。
──ミーティングはどれくらいの頻度で行っているのですか。
ツルサキ:昨年は、フェイス・トウ・フェイスでのミーティングはイギリス・ミルトンキーンズにあるホンダのHRD MKと、日本のHRD Sakura(栃木県の本田技術研究所)、そしてサーキットの現場で何度か行った。今年は5月にHRD MKへ行き、その後カナダGPがある6月にホンダのスタッフがアメリカにあるわれわれの施設に来る予定だ。
──レッドブルがホンダのパワーユニットを搭載することになって、どんな変化が訪れましたか。
ツルサキ:われわれは1チームにひとりのトラックサイドエンジニアを配置させて、燃料と潤滑油を管理しており、昨年もトロロッソとルノーに1人ずついた。しかし、トロロッソはホンダPUを、ルノーはルノーPUを使用していたため、われわれは現場でデータを共有することはできなかったんだ。コンピュータがパスワードによってロックされていたからね。
それが今年は2チームともホンダPUなので、われわれのトラックサイドエンジニアもお互いにデータを共有することができる。これは開発という面でも非常に役に立つ。