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F1 チーム詳細

F1 | オラクル・レッドブル・レーシング 2024年

オラクル・レッドブル・レーシング

オーストリア

●チーム本拠地:イギリス・ミルトンキーンズ
●デビュー:2005第1戦オーストラリアGP
●活動年:2005年~
●出走数:369
●勝利数:113(初優勝:2009年第3戦中国GP)
●PP獲得数:95(初PP:2009年第3戦中国GP)
●コンストラクターズ・タイトル:6(2010~13年、22年、23年)
●ドライバーズ・タイトル:7(2010~13年、2021〜23年)

●主要チームスタッフ:
クリスチャン・ホーナー(チーム代表)
エイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)
ポール・モナハン(チーフエンジニア)
ピエール・ワシェ(テクニカルディレクター)
ジョナサン・ウィートリー(チームマネージャー)

■レッドブル プロフィール

 飲料メーカーとして財を成したレッドブルは、世界中の多くのスポーツ競技に積極支援を行なうことで知られる。そのなかでも、F1への関心と関与は比較的早い。かける予算も、破格の額だ。

 F1への参入は1995年、まずザウバー(現アルファロメオ)のスポンサーとしてだった。だが当初からいちスポンサーに留まる意図はなく、チームの株式を一部購入し、エントリー名も『レッドブル・ザウバー』に改めさせた。

 99年にはクラスとしていまのFIA-F2に当たる国際F3000選手権に自前チームを組織し、そこからF1ドライバーを誕生させようと計画する。このときから、いまなおレーシングアドバイザーを務め、ドライバー選定に絶大な影響力を持つヘルムート・マルコと総帥ディートリッヒ・マテシッツとの深い信頼関係が始まった。

 2001年にはより広範囲で才能ある若手発掘のため、ドライバー育成機関を設立。それらはいずれも『レッドブル・ジュニアチーム』との名称で、マルコを責任者とする。

 だがドライバーへの口出しにザウバーは難色を示し衝突、01年シーズンの終了をもって所有の株式を売却。それでも04年までは、スポンサーには残留した。02年に向けては息のかかったドライバーをアロウズに送り込むことに成功し、これもスポンサーを行なったが、チームは財政難から年の半ばで消滅してしまう。

 次の一手は、04年のシーズン終了後に打たれる。フォードが経営戦略の見直しからF1撤退を決め、ワークスチームとして参戦させていた『ジャガー・レーシング』を売却。レッドブルはその買い手となった。『レッドブル・レーシング』の誕生だ。

 このチームの系譜をたどると、97年からF1に参戦したスチュワート・グランプリに行き着く。F1で3度の王者に輝いたジャッキー・スチュワートと息子のポールが、フォードからの支援で創設。3年目の99年に1勝するなどしたが、実質的にチームを仕切るポールの健康状態悪化から、この年でフォードが買い取った。フォードは巨額予算をかけ翌00年から傘下ジャガー(当時)の名前で参戦させるが、5年間で1勝も挙げることはなかった。レッドブルは拠点は英国のままとする一方で、チーム国籍は本国オーストリアに変更した。

 代表には当時まだ31歳ながら、国際F3000で優れた運営手腕を振るっていたクリスチャン・ホーナーを起用(当初はスポーティングディレクターの肩書)。そして、マルコ-ホーナーの組織トップの体制はいまも変わっていない。

 デビューの05年はジャガーから継続のコスワース、06年はフェラーリからのエンジン供給を受ける。だが周囲を驚かせたのは05年の11月、エイドリアン・ニューウェイの獲得発表だ。翌06年2月からチームに合流。参戦まだ1年目の新参が、F1が誇る天才シャシーデザイナー招聘に成功した。06年型初期デザインに彼が関わることはなくも、この年の第7戦モナコで3位初表彰台。07年はルノーにエンジンをスイッチしたが、チーム成績は停滞する。

 そして翌08年は、予想をもしない状況が起きる。ミナルディを買収し06年から若手育成のセカンドチームとして参戦させていたトロロッソで、セバスチャン・ベッテルがF1初優勝を飾る。当時は規定の線引きが曖昧で2チームが基本的に同一シャシーであるがゆえの、『本末転倒』だ。

 翌09年、空力規定が変わってニューウェイの頭脳が真価を発揮。昇格のベッテルが第3戦中国で初優勝をもたらし計4勝、残留のマーク・ウェバーも2勝して前年7位から一気に2位までコンストラクターズランキングを上げる。

 10年からはより成熟度を増した設計思想とそのコンセプトへのルノー全面協力で、ベッテルがドライバーズ選手権、チームはコンストラクターズ部門を4連覇した。ジュニアチーム出身のドライバーで王座獲り、その理念は結実をみた。裏では自国サーキットの『A1リンク』に大規模投資で再建工事を実施、レッドブル・リンクと改称して、14年からのF1オーストリアGP復活開催にこぎ着ける動きもあった。

 しかし、14年からF1にパワーユニット(PU)規定が導入されると、王座から陥落。ルノーとの関係が崩れた。18年はグループとしてのジャッジで、トロロッソの使用PUをホンダに切り換えさせる。そして約半年をかけて2社の比較検討を行ない、翌19年からホンダとの新パートナーシップを決断。その発表から2戦後のレースとなった第9戦オーストリアでは、復活5回目にしてマックス・フェルスタッペンがチーム悲願のレッドブル・リンク初制覇を果たす。

 ホンダとのコンビ1年目はフェルスタッペンがオーストリア連覇で、9戦目にして初勝利。年間を通じてはそのフェルスタッペン3勝に留まり、散発的な勝利もコンストラクターズランキング3位も過去2年のルノー時代と変わらず。

 だがフェルスタッペンはホンダPUへの好評価を口にし、チームもそれに同調。ホンダとの契約を当初の2年から1年延長し、20年は王座奪回へさらに同盟関係を強化して臨む。

 ホンダとタッグを組んで2年目となる2020年。フェルスタッペンとアルボンのペアでタイトル獲得を目指してメルセデスに挑むが、フェルスタッペンが安定して表彰台を獲得する一方で、アルボンの苦戦が目立つ。

 シーズン初優勝は第5戦70周年記GP。メルセデス勢とは異なる戦略で予選Q2を突破し、フェルスタッペンが逆転で勝利を掴んだ。優勝は2回にとどまったが、フェルスタッペンは完走したほとんどのレースで表彰台を獲得する抜群の安定感を示した。

 だがアルボンは表彰台が遠く、第9戦トスカーナGPでようやく初表彰台を獲得。第15戦バーレーンGPでも表彰台に乗るが、2021年シーズンに向けシート喪失の噂が流れ始める。結局去就は決まらないままシーズンを終えたが、レッドブルはフェルスタッペンのチームメイトにセルジオ・ペレスの起用を決断。アルボンはリザーブドライバーとなった。

 ホンダPUを使用して3年目となった2021年。シーズン序盤からフェルスタッペンとルイス・ハミルトンがタイトル争いを繰り広げた。ペレスもアゼルバイジャンGPで優勝を飾り、レッドブルはメルセデスと2対2の戦いを挑むことが可能に。フェルスタッペンとハミルトンはイギリスGPとイタリアGPで接触するなど激しいバトルが続いたが、同点で迎えた最終戦アブダビGPでフェルスタッペンが自身初となるタイトルを獲得した。ペレスも終盤はチームプレイ徹してタイトル争いに大きく貢献したが、コンストラクターズ選手権は2位で終えている。

 ドライバーズ選手権の連覇と、悲願のコンストラクターズ選手権制覇を目指して臨んだ2022年は、シーズンの出だしでつまづくというまさかのスタートを切った。開幕戦では終盤にトラブルが発生し、2台揃ってリタイア。(リザルト上は完走扱い)。フェルスタッペンは開幕3戦で2度のリタイアを喫した一方、パフォーマンスを大幅に改善したフェラーリはシャルル・ルクレールが2勝を飾り、レッドブルは遅れをとった。

 しかしヨーロッパラウンドに入るとレッドブルは徐々に復調し、フェルスタッペンは勝利を重ね、シーズン中盤には5連勝を記録した。後半戦に入ってもその勢いは止まらず、フェラーリを引き離したフェルスタッペンは、大雨に見舞われた日本GPで勝利を挙げて2度目のタイトルを獲得した。

 この年はフェルスタッペンとペレスが安定して優勝や上位入賞を重ねたこともあり、レッドブルはアメリカGPで9年ぶりのコンストラクタターズタイトルを獲得。予選前にはチーム創設者でありオーナーのディートリッヒ・マテシッツが亡くなったという訃報があったが、そのマテシッツに捧げるタイトルとなった。

 2023年は、まさにレッドブルの1年だったと言っても過言ではないだろう。開幕4戦はフェルスタッペンとペレスで勝利を分け合い、5戦目以降はフェルスタッペンがペレスを引き離した。フェルスタッペンは22戦中19勝を挙げ、3度目のドライバーズタイトルを獲得。レッドはチームとして21勝をマークし、年間勝利は史上最高の95.4%だった。一方のペレスはシーズン中盤から後半戦にかけて大きくパフォーマンスが落ち込んだが、なんとかドライバーズ選手権2位を守り切り、レッドブルは初めてドライバーズ選手権でワン・ツーを達成した。

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