ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブル、トロロッソの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のレッドブル、トロロッソのコース内外の活躍を批評します。2019年F1第10戦イギリスGPを甘口の視点でジャッジ。
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第9戦オーストリアGPの優勝から2週間後に開催された第10戦イギリスGPで、ホンダは2連勝こそならなかったものの、今後に向けていくつか力強い結果を見せた。
ひとつは予選でマックス・フェルスタッペンがポールポジションから0.183秒差の4番手となるタイムをマークしていたことだ。昨年のイギリスGPでの予選では、ルノー製パワーユニット(PU/エンジン)を搭載していたレッドブルのフェルスタッペンは、ポールポジションから0.71秒の大差をつけられていたことを考えると、大きな前進である。
しかも、今年の予選でフェルスタッペンは、エンジンの出力に関してラグ(時間差)の問題を若干抱えており、フェルスタッペン自身も「ラグがなければ、自身初のポールポジションも不可能ではなかった」と語っていた。
これまでホンダはレースではメルセデス、フェラーリに対して、遜色のないパフォーマンスを発揮できていたが、予選での一発のパワー(いわゆる予選モード)の性能に関して、後れをとっていると思われていた。
しかし、イギリスGPの結果を見る限りは、予選でのパフォーマンス不足はパワーユニットの予選モードよりも、車体に起因した問題だったようだ。というのも、ホンダのスペック3はフランスGPで投入されて以来、大きく性能に変更はなかったのに対して、車体はオーストリアGPでフェルスタッペンだけに新しいフロントウイングを投入し、イギリスGPではピエール・ガスリーにもフェルスタッペンと同様、新フロントウイングが投入され、ガスリーのパフォーマンスが大きく向上していたからだ。