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F1 ニュース

投稿日: 2023.10.02 12:44
更新日: 2023.10.02 12:45

【全ドライバー独自採点/F1日本GP】ドライバーズサーキット鈴鹿で満点3人。善戦も母国入賞に届かなかった角田裕毅

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F1 | 【全ドライバー独自採点/F1日本GP】ドライバーズサーキット鈴鹿で満点3人。善戦も母国入賞に届かなかった角田裕毅

■評価 7/10:予選で活躍も、入賞のチャンスを失った角田裕毅

角田裕毅(アルファタウリ):予選9番手/決勝12位
リアム・ローソン(アルファタウリ):予選11番手/決勝11位
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選10番手/決勝8位
ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選12番手/決勝10位

2023年F1第17戦日本GP 角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第17戦日本GP 角田裕毅(アルファタウリ)

 角田裕毅(アルファタウリ)はホームグランプリで少なくとも1ポイントを獲得するに値するパフォーマンスを見せていたものの、今回も運は彼に味方することはなかった。

 予選で9番手という素晴らしい結果を出したが、決勝スタートでアロンソに抜かれ、前方で起きたペレスとハミルトンのインシデントを避けなければならなかったことで、ローソンの後ろに下がった。その後、ファーストスティントとラストスティントでローソンのすぐ後ろを走らなければならず、角田は苛立ちを募らせた。今回の角田は、1周目のポジションダウンにより、9位入賞に挑戦する機会を失ったといえよう。

 来年リザーブドライバーに再び降格されることが決まったリアム・ローソン(アルファタウリ)は、自分の価値を証明したいという強い気持ちを持ってこのグランプリを戦った。決勝日には、チームより自分を優先して戦っていたようにも見える。それでもアルピーヌ勢と戦うだけの速さがなく、ポイントには届かなかった。ただし、ローソンは週末を通して、角田とほぼ互角のパフォーマンスを披露し、ひとつもミスすることなく、堅実な結果を出したということは、認めるべきだ。

2023年F1第17戦日本GP リアム・ローソンと角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第17戦日本GP リアム・ローソンと角田裕毅(アルファタウリ)

 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は再び、ランキング3位争いのライバルであるハミルトンに敗れたが、競争力が低下したマシンで最善を尽くした。シンガポールと同様に、AMR23を予選Q3にまで持っていった。決勝オープニングラップで素晴らしい動きを見せて順位を上げた後、チームはアルファタウリ勢にアンダーカットされることを恐れて早めのピットストップを実行。その後、アロンソは厳しい戦いに直面したが、ピエール・ガスリーを抑えて8位を獲得した。

 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、週末を通してチームメイトよりも速かった。レースの最後に9番手をエステバン・オコンに返すようチームから指示を受けて激怒したものの、最終的にチームの命令に従った。その強い自制心は称賛に値するだろう。

■評価 6/10:ペース不足を補うために最善を尽くしたラッセル

ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選8番手/決勝7位
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選14番手/決勝9位
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選13番手/決勝リタイア
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選15番手/決勝15位

2023年F1第17戦日本GP ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2023年F1第17戦日本GP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 予選でチームメイトにかなわなかったジョージ・ラッセル(メルセデス)は、戦略上の優れた判断とホイール・トゥ・ホイールのスキルによって、ペース不足を補うために最善を尽くした。ターン1までの間にペレスとハミルトンの接触により大きな恩恵を受けたラッセルは、シケインでハミルトンにアタック。しかし次のコーナーで抜き返された。1ストップで走るという戦略は、途中までは良い結果を生むようにもみえた。しかし、新しいタイヤで追いついてくるサインツを警戒したメルセデスが、2台揃って抜かれることを警戒し、ハミルトンを前に出すことを決めた。その後、ラッセルはポジションを守るすべなく、7位に落ちた。

 エステバン・オコン(アルピーヌ)は決勝1周目にミスをし、接触を引き起こした。右側が空いているにもかかわらず、バルテリ・ボッタスをアレクサンダー・アルボンの方へと押しやったのだ。オコンは1周目の終わりに修理のためにピットストップをし、その後、1回のみのピットストップで走り切り、すばらしいタイヤマネジメントにより、2ポイントをつかんだ。

 アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、決勝1周目のインシデントによって、入賞の望みが絶たれた。空中に飛び上がるほどのクラッシュでマシンは大きなダメージを負ったのだ。アルボンは予選で13番手を獲得するという素晴らしい仕事をした後、1点か2点を狙っていたに違いなかった。

 ケビン・マグヌッセン(ハース)にとって週末のハイライトは、予選15番手を獲得したことだった。しかしタイヤのデグラデーションが通常より高い鈴鹿で、ハースVF-23がポイント争いをするのは難しいことは、最初から分かっていた。12周目にはペレスにヒットされてスピン、最終的に最下位完走という結果に終わったが、マグヌッセンにはもっと上位の結果がふさわしかった。

■評価 5/10:不運に見舞われ続けたアルファロメオ勢

バルテリ・ボッタス(アルファロメオ):予選16番手/決勝リタイア
ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選18番手/決勝14位
周冠宇(アルファロメオ):予選19番手/決勝13位

ローガン・サージェント(ウイリアムズ)&バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)
2023年F1第17戦日本GP ローガン・サージェント(ウイリアムズ)とバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が接触

 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は、予選では赤旗のためにアタックを断念せざるを得ず、その前のラップではセクター1が良くなかった(断念したラップより0.2秒遅かった)ため、Q1敗退という結果に終わった。入賞を狙うのが厳しいグリッドからスタート。ソフトタイヤですぐさま2つ順位を上げたボッタスだが、オコンからアルボンの方へとプッシュされ、マシンがダメージを負ったため、修理のためにすぐにピットに入らなければならなかった。そこから順位を上げていこうとしていたボッタスは、ヘアピンでローガン・サージェントにヒットされて、結局、リタイアせざるを得なかった。

 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は予選でチームメイトに大差をつけられたものの、決勝1周目にポジションを稼いだ。ライバルたちをアンダーカットするため、8周目にピットインし、その目的は果たしたが、その後はタイヤの劣化で順位を落とすことになり、事故に遭ったマグヌッセンのひとつ前でレースを終えた。

 周冠宇(アルファロメオ)にとってQ1の赤旗は不運だったが、そもそも週末を通して、彼はチームメイトほどの速さはなかった。決勝1周目のターン1までの間にデブリを踏み、マシンの修理のために早々にピットインしなければならなかった。その後、彼はポイント争いに一切加わることができないまま、レースを終えた。

■評価 3/10:またもや予選Q1で敗退したストロール

ランス・ストロール(アストンマーティン):予選17番手/決勝リタイア

ランス・ストロール(アストンマーティン)
2023年F1第17戦日本GP ランス・ストロール(アストンマーティン)

 ランス・ストロール(アストンマーティン)は今回も予選Q1で敗退。アストンマーティンは1台のマシンでポイントを狙うしかない状況が続いている。決勝1周目にはトラブルを避けて12番手に浮上したものの、それ以上ポジションを上げられずにいるうちに、チームがリヤウイングの破損に気付き、ストロールをリタイヤさせた。

■評価 1/10:屈辱的な週末を過ごしたペレス

セルジオ・ペレス(レッドブル):予選5番手/決勝リタイア
ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選20番手/決勝リタイア

2023年F1第17戦日本GP セルジオ・ペレス(レッドブル)がケビン・マグヌッセン(ハース)と接触
2023年F1第17戦日本GP セルジオ・ペレス(レッドブル)がケビン・マグヌッセン(ハース)と接触

 セルジオ・ペレス(レッドブル)は鈴鹿でも、再び、忘れてしまいたい週末を過ごした。チームメイトが圧倒的な強さを見せるなか、ペレスは予選で0.8秒も遅い5番手にとどまった。

 スタートの蹴り出しが悪かったことで、ターン1の手前でサインツとハミルトンの間にはさまれてしまった時、ペレスは、いったん引くのではなく、メルセデスを芝生の方へと押し出す行動に出た。修理のためにピットイン、しかしセーフティカー出動中の違反で不必要なペナルティを受け、さらにマグヌッセンに対して、100パーセント接触は避けられないようなやり方でアタックし、実際に接触してマシンを壊し、後にガレージへとマシンを戻した。ところがそれから数10分たった後、ふたつめのペナルティを消化するためだけに1周コースに出るという、屈辱的な形で、週末を終えた。

 ローガン・サージェント(ウイリアムズ)の日本GPの週末について詳しく語るのは、あまり楽しいことではない。自分のF1キャリアを継続させるために戦っているドライバーが、予選Q1でタイムを出す前にクラッシュしてしまったり、決勝序盤に追い越された際に他車にヒットするなどということは、絶対にやるべきではない。チーム代表ジェームズ・ボウルズは、サージェントが2024年に残れるよう力を尽くしているが、サージェント自身がそれを難しくさせている。

2023年F1第17戦日本GP 表彰式
2023年F1第17戦日本GP表彰式 優勝マックス・フェルスタッペン(レッドブル)2位ランド・ノリス(マクラーレン)、3位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)


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