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海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.09.26 18:33
更新日: 2018.09.26 18:35

STCC最終戦:タイトル争い決着はコース上で。クリストファーソン再逆転で2度目の王座に

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海外レース他 | STCC最終戦:タイトル争い決着はコース上で。クリストファーソン再逆転で2度目の王座に

 選手権を席巻していたPWRレーシングの“違法エキゾースト騒動”で揺れた2018年のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権は、9月22~23日の週末にスウェーデン・マントープパークで最終戦を迎え、ランキング2位で臨んだヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がレース1で勝利を挙げ、コース上での決着という清々しい逆転劇で自身2度目のSTCCチャンピオンタイトルを手にした。

 第4戦カールスクーガの週末に発生し、シリーズ全体を揺るがす大騒動に発展した違法エキゾースト使用問題は、セアト・クプラTCRを使用するPWRレーシング・セアト・ディーラーチームの控訴と、TCRテクニカル・ワーキング・グループの第三者調査により“シロ”と判定。それを受け9月18日にはSBF(スウェディッシュ・モータースポーツ・フェデレーション)からも「優勝剥奪(リザルト除外)の裁定を取り消す」との声明が発表されていた。

 これにより、最終戦を前に第4戦の両レースを制していたPWRレーシングの勝利が復活。さらに、ディフェンディングチャンピオンとして2018年もシリーズを引っ張ってきたロバート・ダールグレン(セアト・クプラTCR)は、ふたたびポイントリーダーの座に返り咲いて最終戦を迎える形となった。

 しかし、この裁定にふたたび異を唱えたのは、そのカールスクーガの週末で“疑義”を提出していた古豪WCR(ウエスト・コースト・レーシング)と、ホンダ・レーシング・スウェーデンのMA:GP(マティアス・アンダーソンGP)の当該2チームで、これにより最終戦の結果は審議が終わるまで「暫定扱い」となり、ふたたびタイトルが法廷で決まる可能性を残しての最終戦勝負という泥沼の展開に。

 また、TCRスカンジナビアのプロモーター代表とSTCCチェアマンは、かつてSTCCとチームズアソシエーションが分裂し、TTA(レーシング・エリート・リーグ)にシリーズが二分された歴史の再現を恐れて、双方の連名で「STCCは今後もTCR規定の採用を維持し、長期的な協力関係の元に発展を目指していく」との異例のステートメントが発表される事態ともなった。

 そんな不穏な空気を反映するかのように、スウェーデン南部マントープパークの予選は大荒れの展開となり、Q1はセッション開始10分でストームが襲い上位勢がタイム更新機会を逸し、レストラップ・レーシングの23歳、アンドレアス・ウェルナーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がキャリア初のポールポジションを獲得。

 その後も吹き荒れる暴風雨は勢いを増し、グランドスタンドはもとよりチームのパドックやテント類などを吹き飛ばす事態となり、ドライバーズミーティングでの決議によりQ2中止が決定。7ポイント差で選手権首位のダールグレンが3番グリッド、KMS(クリストファーソン・モータースポーツ)のクリストファーソンが7番グリッドから、翌日のレース1を戦うこととなった。

 迎えた日曜のスタートは、ポールシッターのウェルナーソンが無難にホールショットを奪ったものの、3番手ダールグレンを抑える使命を担っていたKMSのヒューゴ・ネルマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が早々にセアトを前に出すと、そのまま1コーナーを止まりきれずにグラベルに撃沈。

 これで援軍なく王者争いに挑むこととなった現WorldRX世界ラリークロス選手権王者のクリストファーソンは、2周目にマティアス・アンダーソン(FK2ホンダ・シビック・タイプR)をかわして5番手へ。すぐさまウェルナーソン、ダールグレン、フレデリック・エクブロム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/WCR)、そしてPWRレーシング代表も務めるダニエル・ハグロフ(セアト・クプラTCR)の先頭4台に迫っていく。

 5周目には首位を守っていたウェルナーソンが陥落し、ついにダールグレンがトップへ。しかし同じラップで、もっとも攻略が困難と見られていたハグロフをクリストファーソンがオーバーテイクすると、6周目にエクブロム、7周目にウェルナーソンと、シケインでまったく同じ動きを見せパッシング。いよいよダールグレンとの直接対決の舞台が整う。

予選Q1セッション中に災害級のストームに見舞われたマントープパークのトラック
Q1タイムで自身初ポールを獲得したアンドレアス・ウェルナーソンは、序盤首位を守って最終的に2位を確保
R1ではセッティングにより最高速が伸びず、苦戦を強いられた2017年王者ロバート・ダールグレン
R1完勝のヨハン・クリストファーソン。「今日は本当に速いマシンを与えてくれたチームに感謝したい」

■王者争うダールグレンとクリストファーソンに意外な結末が訪れた


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