6月19日に開催されたFIAワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)で、WTCR世界ツーリングカー・カップの2020年シーズン再開に向けたスポーティングレギュレーションの細部見直しが承認され、予選や決勝フォーマットの確定にコスト削減策など、多くの変更点が確認された。また、TCR規定ツーリングカーを統括するWSCグループは、新たなBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)の枠組みをアナウンスしている。
今回のWMSCで承認されたのは、すでに発表済みの2020年改訂版カレンダーでもアナウンスされていたように、週末のヒート数で一部3レース実施を認めるもの。当初予定では2020年からコスト面を睨んで全ラウンドとも2ヒート制で争われることが決定していたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延による開幕の遅延によりレース数の確保を優先する判断が下された。
一方、予選フォーマットに関しては1セッションに集約し、その枠内でQ1〜Q3に分割。全車出走20分間のQ1は上位5名に5-4-3-2-1ポイントが付与され、上位12名がQ2に進出する。その10分間の争いで5名にまで絞られたのち、最後のQ3の結果によりレース3のグリッドが確定。このセッションでも上位から5-4-3-2-1ポイントが加算される。
また、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースを使用するノルドシュライフェでの1戦のみ、予選も特別フォーマットとして60分間中断なしの計時予選を実施することが確定した。
この予選方式に対応した3レース開催イベントの場合、グリッド位置はQ1結果でレース1グリッドを確定し、レース2はQ1とQ2合算の上でトップ10がリバースに。そしてレース3はQ3トップ5がそのままポールポジションから上位に並び、その背後はQ2、Q1のタイム順となる。