一方、2レース制イベントではレース1の上位10台が予選合算タイムのリバースグリッドとなり、11番、12番グリッドはQ2タイムから、それ以降はQ1タイム順が適用される。続くレース2はQ3での上位5名が最前列から並び、6〜12番グリッドはQ2タイム、それ以後はQ1タイム順という変則的スターティングオーダーとなる。
既報のとおり、全10戦から欧州域内限定の全6戦へと縮小された2020年カレンダーでは追加のコスト削減策も承認され、1名のドライバー、1名のマシンにつき年間で使用が許されるターボチャージャーは最大4基までに。
一度に車両の整備作業ができる人員も最大5名までと規定され、ドライバーが参加する最初のイベントではグッドイヤーのドライタイヤは上限16本(4セット)、2戦目は最大22本で、うち新品は12本。3戦目は同26本で新品16本との最大供給数の枠組みが設けられた。
さらにWSCグループの技術部門は今季TCR全シリーズに適用する新たなBoPを発表し、さまざまな登録車種間で規定最低重量を達成できないマシンがデメリットを被らないよう、車両重量の性能調整レンジを拡大。
この結果、車重によるBoP調整は現行の『0〜60kg』ではなく『-10kg〜70kg』の範囲とされ、すべての車両が2019年より20kg増からスタートすることが定められた。最も重い車両は依然としてヒュンダイi30 N TCR、ヒュンダイ・ヴェロスターN TCRのヒュンダイ勢と、Lynk&Co 03 TCRの1325kgとなり、最軽量車種は絶対ユーザー数の少ない初期のプジョー308レーシングカップの1185kgとなっている。
またレースの戦績により課されるコンペンセーション・ウエイトは0kgで開幕し、各戦ごとに最大40kgまでを加算。これらの数値は、改めて実施予定の2020年TCRシリーズ向けBoP性能調整テストの結果次第で変更の可能性も残されている。
