チーム黎明期にはホールデンで参戦し、2013年にはニッサンのファクトリーチームとしてアルティマL33を投入、現在はフォード陣営の一角としてRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに参戦中のケリー・グローブ・レーシングだが、そのファミリーチームを運営するトッドとリックのケリー兄弟は、保有するチームの持株50%を売却し、運営権を手放すことを決断した。
「どのマニュファクチャラー時代にあっても、すべて内製で戦ってきたことは誇りだ」と語るトッドは代表を退き、13年間率いた家族経営の組織を今季参画のグローブ・グループに完全移譲すると発表した。
2020年限りでエースドライバーとしての役目を終え、フルタイム参戦からの引退を表明したリック・ケリーに代わり、今季は新たにデビッド・レイノルズを迎え入れペンライト・レーシングとして26号車を走らせるケリー・グローブ・レーシング。生え抜きであるアンドレ・ハイムガートナーのNEDレーシングと合わせて2台のフォード・マスタング・スーパーカーを投入するチームは、この契約締結により2021年シーズンは同チーム名で参戦し、年末を迎えた時点で完全に新組織へと移行することが決まった。
その弟リックよりひと足先に現役引退を決め、現在は共同オーナーとしてチームを指揮してきたトッド・ケリーは、今回の決断に際し「僕やリックにとってレースは人生そのものであり、10歳にも満たないころからこの世界で勝負してきた」と、ここまでの足跡を振り返った。
「こんなにも長い間、この国を代表するプレミア・カテゴリーに参戦できたことは非常に幸運だった。これほど激しく、魅力的な“ビジネス”に参加できるチャンスは見過ごせるわけがない。でも、今こそチームの手綱を託すときがきたんだ」と語ったトッド共同代表。
創設初期にはホールデン・コモドアでシリーズに参入し、その後はニッサンのファクトリー支援を得て4台のアルティマを投入。トッド、リックに加え、シングルシーターで活躍した実力派女性ドライバー、シモーナ・デ・シルベストロを招聘したことでも話題を呼んだ。