3月12~13日にアリゾナ州フェニックス・レースウェイで開催されたNASCARカップシリーズ第4戦『ルーオフ・モーゲージ500』は、312周の決勝最終盤で再びのリスタート勝負となり、カップ参戦初年度の新興チームながら新車両規定“Next-Gen”の好機を捉えて躍進するロス・チャスティン(トラックハウス・レーシング・チーム/シボレー・カマロ)を抑え、チェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が今季4人目の勝者に輝いた。
レースウイークの木曜にカップシリーズの新たなボードメンバー就任が発表されたシリーズは、砂漠のなかにある低バンクの1マイル・オーバルで第4戦を迎えた。
すでにオフテストで同トラックを経験する“Next-Gen”車両だが、この週末のフェニックスではここまで開幕の走り始めから優位を見せていたシボレー勢ではなく、フォード陣営のチーム・ペンスキー軍団が先行する展開に。
公式練習ではオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が最速となり、続く予選ではそのシンドリックとプラクティスで1-2を占めたライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、2022年開幕4戦で4人目のポールウイナーを獲得。自身キャリア通算7度目、ここフェニックスで3度目のポールシッターとなった。
そのブレイニーは決勝最前列スタートの優位を活かし、この日最多となる143周のリードラップを記録してステージ2を勝ち獲ったものの、221周目に迎えた遅めのストップで、今季から採用されるラグナットガンがクルーの手を滑り落ち、そのまま首位争いから脱落する形で4位フィニッシュを迎えるのが精一杯に。
代わって最後のステージを支配したのがブリスコで、残る83周のうち82周をリードする盤石の“上がり”を披露。30周を切った時点でエリック・ジョーンズ(ペティGMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)がクラッシュを喫して7度目のコーションを迎えると、リスタートからは首位ブリスコに対し、小規模チームの新鋭チャスティンがアタック。前戦ラスベガスで最多リードラップを記録し、新規参戦チームに初のステージ勝利をもたらした男が、その勢いがフロックでないことを証明するべく優勝戦線に絡み続ける。