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F1ニュース

投稿日: 2010.06.01 00:00
更新日: 2018.02.15 20:23

「レッドブルはベッテルを優先し、タイトルを獲らせようとしている」とブランドル


 BBCのF1解説者を務める、元F1ドライバー、マーティン・ブランドルが、トルコGPでのマーク・ウエーバーとセバスチャン・ベッテルの接触は、ベッテルが100パーセント悪いとし、またレッドブル・レーシングは明らかにベッテルを優遇しており、これがチーム内の内紛を招きかけていると主張した。

 トルコGPでウエーバーとベッテルが接触、レッドブル・レーシングが獲得するはずだった1-2をマクラーレンにプレゼントしてしまった。レースをリードするウエーバーにベッテルが仕掛けて接触、ベッテルはマシンを降りた後、頭の横で指を回すジェスチャーをして怒りを表し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーとコンサルタントのヘルムート・マルコはウエーバーが譲るべきだったと示唆した。

 しかしブランドルは、レース中継中に悪いのはベッテルの方だと発言している。その後、BBCのブログにおいて、彼は次のように記している。
「ベッテルはターン12のヘアピンのオーバーテイクポイントに向かって200mphでチームメイトのスリップに入った。ウエーバーはとっさに防御したが、コースのダーティーな側にF1マシン1台分のスペースを残した。ベッテルはそこに飛び込むことに決め、ウエーバーに並びかけ、わずかに前に出た」
「その時点で彼は自分がうまく止まれないことに気付いただろう。あるいはヘアピン入り口に向けてよりよいラインを確保するためにウエーバーを押しのけたかったのかもしれない。あれはベッテルのマシンがブレーキング時にスライドしたのではない。意図的にした動きだ。当然のことながら、ウエーバーは動かず、接触が起きた」
「レース直後にクリスチャン・ホーナーおよびヘルムート・マルコと話をした。TVで何と言ったか彼らに聞かれ、あれは、ウエーバーに突っ込んでいったベッテルが100パーセント悪いと言ったよ、と私は彼らに話した。彼らは見るからに不満そうで、ウエーバーはチームメイトをダーティーな側に追い込むべきではなかった、マクラーレンに対してポジションを守らなければならなかったのだから、と言った」
「この議論にはいろいろな要素がある。しかし結論は、ベッテルが右を向いてウエーバーのマシンのサイドに突っ込んだのは、間違ったリアクションだったということだ」

 ブランドルは、チームはウエーバーにポジションを譲らせようと考えるべきではなかったと述べている。
「ウエーバーは3戦連続ポールを獲り、前の2戦スペインとモナコではチームメイトを含め全員に勝っている。その彼が、ベッテルが仕掛けてきたときに、突然消極的な態度をとるなどと、チームは期待してはならない。もしウエーバーがペースを落としたり、どいたりしていたら、それはすなわちチャンピオントロフィーをチームメイトに渡して、オーストラリアに帰ることにつながるかもしれないのだ。ウエーバーは自分のポジションを守らなければならなかった」

「レッドブルの問題は、明らかに、ウエーバーでなく自分たちが育ててきたベッテルにタイトルを獲らせようとして優先していることだ。彼らはふたりのドライバーを対等に扱っているなどと主張することはできないし、ひとりを優先してはならない。ガレージの両サイドの間ですべてが崩壊してしまうからだ」
「彼らは勝利を目前にして内紛に直面している。今はデリケートな時であり、チーム内で誠実さと透明性を見せることのみが唯一の解決法だ」