投稿日: 2014.05.19 00:00
更新日: 2018.02.16 23:58
更新日: 2018.02.16 23:58
【決勝無線】トップを走るハミルトンの叫び
(Mineoki Yoneya)
2014年スペインGP無線レポート
『ノーモア・フィードバック、プリーズ!(もう話しかけないでくれ!)』
65周目、ルイス・ハミルトンは無線で叫んだ。
レースは残り2周。背後にはニコ・ロズベルグが迫り、1周前からDRSが使える1秒以内に入ってきている。
『僕のラップタイムはどう? ニコとのタイム差を教えてくれ』
『さっきのラップでニコに対して失っているのはターン3だけだ。ニコはスローイン・ファストアウトにしている。ラップタイムはほぼ同じ。ギャップは3.7秒』
ハミルトンは1周ごとにロズベルグとのタイム比較を無線で報告するようチームに依頼し、担当レースエンジニアのピーター・ボニントンとの間ではレース序盤からずっと忙しい無線のやりとりを続けていた。
『オーバーステアが酷いんだ、助けてくれ』
『ターン4〜5でコーナー出口のデフを小さくしてみてくれ』
レース中盤になると、2人のやりとりはさらに激しいものになってきた。
周回遅れを処理する間、ハミルトンの集中を乱さないよう配慮して無線交信を控えていたボニントンに対して、ハミルトンが『この数周どこに行ってたんだよ?』と不快感をあらわにする場面すらあったほどだ。
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