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スーパーGTニュース

投稿日: 2010.04.01 00:00
更新日: 2018.02.15 19:07

スーパーGT/DTMの技術規則統一化の論議が2015年目標でスタートへ


 現在レクサス、ホンダ、ニッサンの3メーカーが参戦するスーパーGT500クラスと、メルセデスベンツ、アウディの2メーカーが参戦するドイツツーリングカー選手権(DTM)の車両技術規則統一を目指す議論が、2015年の発効を目指してスタートすることとなった。3月末までにJAF内で議論がなされ、日本側からも車両規則統一に向けた方向性が定まったという。

 これまでもオートスポーツweb/週刊オートスポーツで既報の通り、ドイツDTMを運営するITRから声をかける形でスーパーGT500クラスとの車両技術規則統一化をめざすプレゼンテーションが行われていたが、日本自動車連盟(JAF)ではそれを受けて、日本側の対応を協議するマニュファクチャラーズ作業部会が発足。JAFモータースポーツ部によれば、3月23日のワーキンググループでの結論を目指してこの件に関して議論が続けられてきたという。

 今回決定した日本側の“方向性”は、『2015年を目指してDTM/スーパーGTの技術規則を統一していくため協議をスタートする』というもの。スーパーGT500クラスの技術規則は、2009年からエンジン排気量の共通化や車両外寸の統一などが図られており、この規定は2011年までの3年間適用。2012年にはまた新しい規則が適用されるが、これについてはほぼ内容が決定しており、このタイミングでDTM/スーパーGTの技術規則を統一するのは難しい、という判断から、その3年後である2015年というタイミングが設定されたようだ。

 今回のITRからの提案は、ITRとの意見交換の末、あくまで“車両技術規則の統一化”で、例えばスーパーGTにおけるGT500/GT300の混走やレース距離など、シリーズ特有のスポーティングレギュレーションの部分はそれぞれのレーススタイルを尊重し“不可侵”となるという。日本側では、今回の意志決定をすでにITR側に連絡してあるとのこと。

 なお、週刊オートスポーツNo.1238号でもお伝えしたとおりITR側から日本側へ提案されたプランは“スタンダードモノコック”という共通モノコックを使用した内容だが、JAFモータースポーツ部によれば、ドイツ側でもまだ意見の統一が取れておらず、誰がモノコックを生産するのか等、まだ詳細が正式に決まったわけでは無いという。

 今回のITRからの提案はスーパーGT同様にアメリカのロレックス・グランダムシリーズにも為されており、これは英autosport.comも報じている通りグランダム側も認めているところ。今後、2015年の技術規則を発表する2013年上旬までにドイツDTM、日本スーパーGT、そしてアメリカのグランダムを含めてグローバルな“新グランドツーリングカー規定”制定に向けて論議が進められていくことになりそうだ。

 JAFモータースポーツ部ではこの他に、2015年の車両規則統一以前のタイミングでも、バランス・オブ・パフォーマンス(BOP・性能調整)を使った交流戦の実現をドイツ側、日本側ともに提案していくとオートスポーツwebに対し明らかにしている。

 なお、今回のテクニカル部会の座長を務めたニスモの柿元邦彦スーパーバイザーが寄稿する、4月1日発売のレーシングオンムック“コスワース特集号”にはこの内容が詳細に記載されている。ぜひ御一読いただきたいところだ。