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F1ニュース

投稿日: 2009.09.16 00:00
更新日: 2018.02.15 15:18

2008F1シンガポールGP:ルノーF1の無線交信記録をタイムズ紙が公開


 2008年のF1シンガポールGPにおいて、ルノーF1チームがネルソン・ピケJrを故意にクラッシュさせたとする“シンガポール・ゲート”に関して、イギリスのタイムズ紙がレース中の無線交信記録を入手。これを公開した。

 タイムズ紙が入手したピット(エンジニアリングディレクターのパット・シモンズ、マネージングディレクターのフラビオ・ブリアトーレ、他エンジニアら)とネルソン・ピケJrの間の無線交信記録は以下の通り。

──(レース中の無線交信から)

シモンズ:君に言えるのは我々が3ストップではないということだ。

シモンズ:それより前に彼(フェルナンド・アロンソ)を集団の前に出すつもりだから、燃費に関しては気にしなくていい。

ピケJr:今何周目に入った? 今何周目に入った?

ルノーのエンジニア:彼が「今何周目に入った?」と聞いています。

シモンズ:ああ、彼に8周目を終えたところだと伝えてくれ。

シモンズ:いや、彼はちょうど8周目を終えるところだ。ちょうど終えるところだと伝えてくれ。

──…………

シモンズ:よし。それでは……彼(アロンソ)が彼(ウイリアムズの中嶋一貴。アロンソの前を走行していた)をキャッチする前にピットストップさせるつもりだ。燃料ポンプの心配があるし、予定より1周少ないだけだ。ピットインさせて、40周まで行く。

──…………

シモンズからアロンソのピットストップ後、ピケJrのエンジニアへ:
よし。ネルソンをプッシュさせてくれ。もしネルソンが(ルーベンス)バリチェロをパスできなかったら、どこにも行く場所はない。この周でバリチェロを抜いてくれ。

ブリアトーレ:ピケJrにプッシュさせろ。

ピケJrのレースエンジニア:ネルソン、言い訳はできないぞ。バリチェロを抜かなきゃダメだ。お前には4つ分のストレートの優位性がある。さあ来い。プッシュしろ。抜かなきゃダメだ。

──数分後、ピケJrがターン17で激しくクラッシュ。

同時に複数の声:ネルソンがコースアウトした! この××野郎! レッドフラッグじゃないか? これは大きなクラッシュだ!

ピケJr:みんなすまない。コースアウトした。

エンジニア:彼は大丈夫か? 彼は大丈夫か?

シモンズ:彼に大丈夫かどうか聞いてくれ。

エンジニア:大丈夫か? 大丈夫か?

エンジニア:フェルナンドがちょうど今通過しました。

エンジニア:オーケー。イエローフラッグだ。

ピケJr:ああ、ヘッドレストに頭を打ち付けてしまったけど大丈夫だと思う。

エンジニア:了解した。

シモンズ:分かった?(音声不明瞭) 彼はストップした。

エンジニア:セーフティカー! セーフティカー! セーフティカー! セーフティカー! フェルナンド、セーフティカーだ! ミクスチャーのモードを3にしろ!

シモンズ:彼(アロンソ)に気をつけろと伝えてくれ。たぶんターン17だと思う。

エンジニア:この××ッタレ! デカいクラッシュだった。

ブリアトーレ:××いまいましい……まったく××不名誉なことだ。ヤツはドライバーじゃない。

シモンズ:フェルナンドは何番手で戻った?

エンジニア:20番手で戻りましたが、我々が最初にセーフティカーの背後につけそうです。

シモンズ:よし。我々は違う……

エンジニア:彼(アロンソ)は通過しましたが、彼は待たされているようです。

ブリアトーレ:このポジションをどう思う?

シモンズ:フラビオ、正直に言うとわからない。彼がどの位置にいるかによって正直変わると思う。

──

 この無線交信記録からはブリアトーレ、シモンズがピケJrにクラッシュを指示したのかは分からないが、ルノーF1チームは16日、両名のチーム離脱を発表している。