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スーパーGTニュース

投稿日: 2015.11.16 00:00
更新日: 2018.02.17 11:37

LMcorsa RC F GT3、粘り強く着実に完走を果たす


2015 SUPER GT
LMcorsa・OTG Race Report
第8戦ツインリンクもてぎ

◆11月15日(日) 決勝 天候:曇りのち晴れ | コース状況:ウェット→ハーフウェット

#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3/飯田章・吉本大樹 17位/48周

 前日の公式予選日と同様、冷たい雨が降ったりやんだりを繰り返しながら明けた 11月15日、茨城県との県境にほど近い栃木県・茂木町にあるツインリンクもてぎでは、2015年AUTOBACS SUPER GTのシリーズ第8戦(最終戦)、MOTEGI GT 250km RACEが最終日を迎え、決勝レースが行われた。

 昨年に引き続いて飯田章と吉本大樹のコンビを擁してフル参戦してきた LMcorsa チームだが、今シーズンは昨年使用していた BMW Z4 から、新規開発した LEXUS RC F GT3 にマシンを交換、大きなチャレンジに取り組んできた。開発途上の新生マシンでは完走することさえ覚束ないレースも少なくなかったが、8月に鈴鹿で行われた第5戦の鈴鹿1000kmから9月の菅生、そして前回のオートポリス、と 3戦連続で完走。特に前回のオートポリスでは開幕戦以来の10位入賞を果たしており、最終戦に懸けるチームの意気込みはいやがうえにも高まっていた。前日の公式予選では Q1突破を果たせず、20番手グリッドから粘り強く、そして着実に追い上げていく。それがチームとしての最大の作戦だった。

 決勝レースのスタートは午後1時40分の予定で、そのスタート時刻が近付くにつれてコースは次第に乾いていった。当初の予定より10分間延長されたウォームアップ走行ではウェットタイヤとドライタイヤの両方を履き換えて確認するが、どうやらドライの方に分がありそうだ。そんな分析もあったが、マシンをグリッドに着け、スタートまで30分を切ったところでひと雨降ってきた。コースは完全なウェットコンディションに逆戻りしてしまい、決勝レースはレインタイヤでのスタート。前回とはオーダーを入れ替えて、スタートと前半のスティントを吉本がドライブ。飯田が後半のスティントを担当することになった。

 スタートを担当した吉本は、スタートしてすぐに2分03秒台の安定したペースで周回。ルーティンのピットインを19周目まで引っ張ってクラス15位までポジションを上げ、ピットに戻ってきた。替わった飯田はガソリン補給するとともにタイヤをスリックに履き替えてピットアウト。1分54秒台でコンスタントに周回を重ねて行った。作戦通り粘り強く着実に。速く走ることを常に目指しているドライバーにとっては、随分とフラストレーションの溜まる展開だったが、前半のスティントを担当した吉本も、後半をドライブした飯田も、不満を漏らすことなく作戦を遂行。そして 4戦連続の完走を果たすことになった。
 2戦連続の入賞には届かなかったが、粘り強く着実に、は実践できた。今日のこの頑張りが、きっと来年のジャンプアップに繋がるはず!チームは、そんな期待を胸に、ニューマシンで挑むシーズンを終えることになった。

ドライバー/飯田 章
「今日のレースも、コンスタントに走っただけで終わってしまいましたが、何とか完走できたのは良かったですね。クルマにトラブルが出ず、またドライバーもミスしなかったのは当然ですが、チームもミスなくレースを走りきることができ、1年間の成長を、改めて感じ取ることができました。特に今回は最終戦だったので、完走できるのとそうでないのは大きく違ってきます。何とか来年に繋げるレースができました。来シーズンに向けて、クルマの“カイゼン”を続けていきたいですね」

ドライバー/吉本大樹
「今日は自分がスタートを担当しました。レインタイヤで行くのか、それともドライに代えるのか、随分悩みましたが結果的にはレインで行って正解でした。ウチのクルマはストレートスピードでライバルに後れをとっているので、コーナーでつっかえてしまうと厳しくなります。そんな展開が続いて厳しかったのですが何よりも SCカーのタイミングもアンラッキーでしたね。でも1年を通じてマシン開発を進めてきて、今日もちゃんと完走できた。それは大きな収穫だったと思います」

監督/小林敬一
「スタートからゴールまで、淡々と確実に走って、無事完走することができました。本当はもっともっと速さを発揮して、ライバルをコース上で追い抜いて上位に行きたいのですが、まだまだそれは無理な話で、ライバルがこぼれおちてくるのを拾うしかない。でも今回はこぼれおちるライバルが余りいなくて…。GT300 クラスは本当に、クラッシュしたり接触したり、あるいはトラブルに見舞われて、後退するクルマが少なくなりましたね。それと今回の大きな収穫はチームの力、例えばピットインのタイミングなんかを判断するケースで、これまではどうしても遅れがちになっていましたが、今日は絶妙のタイミングでピットインの判断を下すことができました。これは今後に繋がる大きな一歩になると思います。今シーズンは1年を通じて応援、ありがとうございました」