ラリー競技においてドライバーと二人三脚で戦っていくコドライバーとして活躍する元SKE48の梅本まどかが、3月1~3日に行われた全日本ラリー選手権第1戦『ラリー三河湾2024』に参戦。初めてペアを組む星涼樹ともに愛知県蒲郡市を中心に開催されたラリーを戦い抜き、今季新設された“MORIZO Challenge Cup(MCC)”で4位入賞を果たした。
梅本にとって初参戦となる全日本ラリー選手権はその名のとおり、ラリー競技の国内最高峰シリーズだ。同選手権は初開催のイベントとなった『ラリー三河湾』で2024年シーズンの開幕を迎えたが、今シーズン3つのカテゴリーに参戦する梅本にとってもこれが今年初めて出場するラリーとなっている。
今回梅本はCUSCO Racingとドライバーの星とともに、JN-2クラス内に新設された若手育成カテゴリー“MCC”にトヨタGRヤリスでエントリー。他の6組のペアとクラス優勝を懸けて戦った。
今大会は2日(土)と3日(日)に計14本のSS(スペシャルステージ)が設定され、トータル80.52kmで争われた。コースの多く、とくに土曜日のステージは木曜日に降った雨の影響から落ち葉や土砂がコース上に流れ込み、トップクラスの選手も『全日本では経験したことのないようなハードなコース状況』と表現するほどのトリッキーなコンディションに。
そんななか、ともに全日本ラリー初参戦となる星/梅本ペアには長瀬努チーム監督から「今回のラリーは順位やタイムよりも『最後まで絶対に走りきる』こと」をターゲットとするよう指示が飛ぶ。しかし、今回が初めてのラリー参戦となる星は“抑えて走る”経験が乏しく、危ない場面に見舞われることも。そのため車内でペースノート(コースの状況が記されたノート)を読み上げる梅本は、走行中に何度も「スピードを落として!」「抑えて!」という指示を出して星をコントロールし、クルマをフィニッシュに導くために奮闘した。
ミスコースにより3分のタイムペナルティを受けつつも無事に初日を戦い終えた星/梅本組は、競技2日目に行われた5つのステージ(SS11はキャンセルとなった)も見事走破。出走90台中25台がリタイアするという難しい状況のなか、MCCクラス4位で初陣を終えている。
「梅本選手は若い新人ドライバーをよくコントロールできたな、というのが初戦を終えての率直な感想です」と語るのはCUSCO Racingを率いる長瀬監督だ。
「これまではベテランドライバーのコドライバーを務めることがほとんどだったと思いますが、今回は立場が逆転し、だいぶ苦労したのではないかと思います」
同氏は今戦の梅本の仕事を80点という高得点で評価したが、この先のさらなる成長に期待している。
「まずは完走というミッションをよく果たしてくれました」と長瀬監督。「これからドライバーを速くするために梅本選手も勉強していかなければいけないし、星選手というまだ素人レベルのドライバーが作るノートを修正していかなければいけない。そういう課題をクリアしていってほしいですね」
引き続きMCCに参戦する両名が挑む次なるイベントは、全日本ラリー第2戦『ツール・ド・九州 2024 in 唐津』だ。今戦と同様にターマック(舗装路)イベントとなる次戦唐津は4月12日(金)から14日(日)にかけて、佐賀県の唐津市を中心に開催される。