若干21歳ながら、ラリークロス界で数多くのタイトルを獲得してきたオリバー・エリクソンが、新たに創設されるEVのステップアップ選手権『FIA eRX2 Championship』の公式テストドライバー兼アンバサダーに就任することが発表された。また、若手育成を掲げる同EV選手権はeスポーツとの枠組みも強化し、2021年の『DiRT Rally 2.0』の世界チャンピオンには、プライズとしてeRX2車両のテストドライブの機会が提供される。
WorldRX世界ラリークロス選手権にも参戦するケビン・エリクソンを兄に持ち、このeRX2用EVシャシーの開発製造を手掛けるOlsbergs MSE代表アンドレアス・エリクソンが父であるオリバーは、直近の数シーズンで2015年のGRC Lites、2018年のRallyX on Ice、そして新生eRX2と同格の内燃機関カテゴリーRX2 International Seriesでは2018年、2019年と連覇を果たすなど、現在のラリークロス・シーンで最も高い評価を受ける若手有望株のひとりでもある。
この『FIA eRX2 Championship』は、2020年から新規シリーズが開催される電動ラリークロスの最高峰『Projekt E(プロジェクトE)』へのステップアップや、WorldRXスーパーカーのドライブを目指す、若いドライバーたちの育成カテゴリーとして創設される。
この新カテゴリーの共通パワートレイン・サプライヤーとして供給権を獲得したスペインのEV専門企業QEVテクノロジーズは、250kW(335bhp)を発生するモーターと32kWhバッテリーを採用する共通パワートレインを製造。そのパワーパックを、この9カ月で開発されたオルスバーグMSE製の専用スペースフレームシャシーに搭載する。
すでに公開されているeRX2車両のテスト走行も担当したレッドブルアスリートのオリバーは、スペインのシルクイート・デ・カラファトを拠点に開発作業を続けてきたが、先の7月にスウェーデンのホーリエスで開催されたラリークロス・ノルディック開幕戦“All-Star Magic Weekend”の会場で初お披露目となったeRX2用プロトタイプは、今後WorldRXが開催される世界中のトラックでテストを実施する予定だ。