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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2020.12.07 16:56
更新日: 2020.12.07 16:57

WorldRX:FIAが2022年導入予定の電動キット『RX1e』の詳細を発表。約680PSを発生

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ラリー/WRC | WorldRX:FIAが2022年導入予定の電動キット『RX1e』の詳細を発表。約680PSを発生

 12月4日付で、FIAより2022年からWorldRX世界ラリークロス選手権で採用される『World RX1e』と呼ばれる電動パワーユニットの技術的詳細が明らかにされ、シリーズ全体の電動化に向けた青写真が示されるとともに、現在のスーパーカー・クラスは“RX1”に改称され、ステップアップの『RX2e』や現Super1600クラスの『RX3』を含め、10月にも決定していた各クラスの住み分けがより明確化された。

 世界選手権に向け電動化キットの供給権を獲得していたオーストリアのKreisel Electric(クライゼル・エレクトリック)社は、改めてその供給を担当する新生『RX1e』クラスに向けた電動キットの詳細を、FIAを通じてアナウンスした。

 その内容は、前後アクスルに250kWを発生するモーターを1基ずつ備え、2つのインバーターと革新的な冷却システムを備えた52.65kWhのバッテリーを搭載する、というもの。

 この電動パワーユニットはシステム全体で500kW(約680馬力)を発生し、キット化されたユニット全体は既存のWorldRXスーパーカーの内燃機関をコンバートして後付けすることも可能なら、まったく新しいシャシーに組み込むことも可能となっている。

 電動キットの価格は30万ユーロ(約3800万円)となり、10万ユーロ(約1260万円)の追加コストで4年間の技術サポートが得られる。そのコストは、現在のスーパーカー用ICEを同じ期間走らせるコストより低く抑えられているという。

 そんな『RX1e』のパフォーマンスレベルは既存のICE(内燃機関)RXスーパーカーを上回り、電動バッテリーやモーター類で重量が増加するにも関わらず、パワーとトルクの増大分で大幅に性能向上を果たす。

 高い性能の源となる52.65kWhのバッテリーは独自の安全機能を備え、重量配分を考慮した特別設計とされ、その重量は300Kg。フロントアクスルとリヤアクスルで独立したモーターはカーボンラップされ、プリロードオプション付きの高性能トランスミッションとLSDを備えている。

 これらのシステムは同じく入札で供給権を得たGCKエネルギーと協業で開発され、プロトタイプの『World RX1e』車両はすでにクライゼルによってテスト走行が実施され、印象的な結果が得られているという。

『World RX1e』はオーストリアのKreisel Electric(クライゼル・エレクトリック)社が、『RX2e』はスペインの電動化技術企業であるQEV Technologies社がキット供給を担う
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ステップアップカテゴリーとして、一足早く2021年から開幕するFIA RX2e用のワンメイクEVマシン
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