「eWorldRXキットの開発が順調に進んでおり、スケジュールどおりに進行していることを確認でき、とてもうれしく思う」と語るのは、クライゼル・エレクトリック社のマネージングディレクターを務めるフィリップ・クライゼル。
「COVID-19の危機により、電動化クラスのシリーズ本格導入が2022年へ延期されたにもかかわらず、パフォーマンスキットの設計を完成させ、こうしてミュールカーでの本格テストを開始することができた。加えて、この画期的なプロジェクトを可能にしたFIAとの卓越したコラボレーションの成果も強調したいと思っている」と語ったクライゼル。
2020年4月のWMSC(世界モータースポーツ評議会)で実施された電子投票の結果により、COVID-19パンデミックの影響を含めて、このWorldRX本格電動化の動きは当初の2021年から1年延期されることが決まっていた。
FIAのオフロード・コミッション代表を務めるガルファシュ・オラーも「そう、ご存知のとおりCOVID-19パンデミックによりFIA世界ラリークロス選手権の電化導入は当初の計画より遅れることとなった。にもかかわらず、我々はロードカーをベースとし、巨大なパワーとコスト管理を両立したキットの開発に成功し、新たな電化の未来に取り組んでいる」と自信をのぞかせる。
「クライゼルやGCKと力を合わせ、今後もチームが高いコンペティションレベルを誇る電動レーシングシリーズに参加できるよう、持続可能なパフォーマンスパッケージを開発していきたい。ラリークロスでのスペクタクルなレース展開に慣れているファンは、この新たなRX1eカーの加速力にワクワクするだろうね!」
合わせて、史上初の“FIA格式電動ラリークロス選手権”となるFIA RX2eは、2021年に先行してシリーズが開幕し、スペインの電動化技術企業であるQEVテクノロジーズ製のキットを搭載したワンメイクマシンで争われる。
スウェーデンの名門コンストラクターであるオルスバーグMSE製の車体を持つRX2e車両はすでに精力的なテストを重ねており、来季はWorldRXのイベントと併催で全6戦を予定。その暫定カレンダーも、12月16日のWMSCで協議される予定となっている。