地球環境保全とその啓蒙をコンセプトに掲げた独創的な電動オフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』シリーズに、WRC世界ラリー選手権9冠を誇る“レジェンド”ことセバスチャン・ローブの参戦が決定。2020年にF1グランプリで7度目のワールドタイトル獲得を決めたルイス・ハミルトンの新チーム『X44』から、スペイン出身で29歳のクリスティーナ・グティエレスと電動ワンメイクSUV『オデッセイ21』をシェアする。
また、リードドライバーにマティアス・エクストロームの起用をアナウンスしていたアプト・クプラXEは、女性ペアにドイツ出身のクラウディア・ヒュルトゲンの加入を発表した。
言わずと知れた史上最強のラリーストであり、WRC通算79勝の金字塔を打ち立てたローブが、電動オフロードレースの世界にチャレンジすることが決まった。モータースポーツ界の伝説とも言うべきフレンチドライバーは、ステージラリーの一線から退いて以降も、ツーリングカーやラリークロス、そしてダカールなどのレイドへと転向し、主に母国のマニュファクチャラーとの協業で数々の実績を積み重ねてきた。
「チームX44に参加することは、私が好きなこと……つまりレースを続ける機会を得たことになる。電動車両で競技に挑むことを楽しみにしているんだ」と、自身初のエレクトリック・シリーズ参戦への抱負を語ったローブ。
「つい最近になってマシンをドライブする機会に恵まれたが、その感触は信じられないほど異次元のものだった。クリスティーナ(・グティエレス)は素晴らしいドライバーであり、彼女とパートナーを組み一緒に何ができるかが本当に楽しみだ。そしてルイス(・ハミルトン)がF1で重ねている実績には心から感銘を受けている。彼と一緒に仕事ができるのは本当に名誉だ」と続けたローブ。
そのローブとともに直近にもドニントンパークのオフロードステージでテスト走行に臨んだグティエレスは、晴れてレジェンドのペアリングドライバーに抜擢された。
そんな彼女も2017年にダカールラリーの4輪部門で完走を果たした最初のスペイン人女性ドライバーとなり、男性も含めた同年のルーキードライバーで5位の実績を残した。
また、国内のラリー選手権では総合2位の成績も残しており、2011年から2016年までランキングトップ10の記録を重ねるなど、スペインが誇る女性ラリードライバーとして注目を集めてきた。
「こうしてX44に加入できたことにワクワクしている。私にとって非常に重要な気候変動危機への意識を高める機会を得ただけでなく、ふたりの英雄と仕事をすることができるんだもの!」と、喜びを語ったグティエレス。