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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.02.14 14:18
更新日: 2023.02.14 14:19

TGR WRCチャレンジプログラム2期生、ラリー・スウェーデンでついにWRCデビュー

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ラリー/WRC | TGR WRCチャレンジプログラム2期生、ラリー・スウェーデンでついにWRCデビュー

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀は、2月9日(木)~12日(日)に開催されたWRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』に参戦し、二輪駆動のラリー4車両を用いるRC4クラスでWRCデビューを果たした。

 今回のラリー・スウェーデンでは、TGR WRCチャレンジプログラムの1期生である勝田貴元が自身初となるワークスノミネートを受けてTGRワールドラリーチームから出場。勝田の後輩にあたる大竹、小暮、山本も将来トップカテゴリーへの参戦を目指しているが、今回WRCに参戦した目的は勝田とはまったく異なるものだ。

 大竹をはじめとする3選手は、2022年1月にフィンランドで開催されたTGR WRCチャレンジプログラムの2期生の選考会に参加し、翌2月にプログラムへ選出された。それから約1年という節目を迎えた3選手は、これまで参戦してきた国内選手権レベルの大会から世界選手権へ大幅なステップアップを果たすこととなった。

 今回のWRC初参戦における主な目的は、4日間で計18SS、都合301.18kmという長い競技区間(スペシャルステージ)を走るイベントへの適応だ。 

 3選手は今回のラリー・スウェーデンに、これまでも使用してきたルノー・クリオ・ラリー4で出場したが、過去に参戦してきたラリーとは状況が異なり、RC4クラスには他に1台しか参加車両がいないうえ、彼らのスタート順は上位クラス51台の後となり、荒れた路面を攻略しなければならなかった。さらに、雪と氷に覆われたスノーラリーへの参戦も1月のラップランド・ラリーに続いてまだ2回目であり、多くのステージで暗闇の中を走るなどチャレンジングなラリーを経験することになった。

 ラリー序盤のステージでは大竹と山本のタイムが非常に近く、デイ2(金)の最終ステージ終了時点ではわずか1.3秒の差で大竹/サルミネン組がリードしクラストップに立っていた。その後、タイムコントロールへのレイトチェックインにより山本/テイスコネン組に10秒のペナルティが加算されたことで、両車の差はデイ2終了時点で11.3秒に拡がった。

 デイ3(土)では山本/テイスコネン組が挽回をみせ、午後のSS12で大竹/サルミネン組をわずかにリードして一時トップに立つ。しかし、続くSS13で電気系統のトラブルが発生。これによりふたつのステージを残してデイリタイアとなってしまう。山本の脱落により後続との充分なタイム差ができた大竹/サルミネン組は、その後も大きなミスやトラブルなく完走し、前回のアークティック・ラップランド・ラリーでの2位に続いてクラストップでラリーを終えた。

 一方の小暮は、デイ2のSS5でタイヤ交換を行ったためタイムを失い、難しい出だしとなってしまったが、デイ3以降は自身のペースを取り戻しラリーを走り切った。最終日のSS17では雪壁にスタックしたことで約15分のタイムロスをしたものの、週末を通してその成長をしっかりと周囲に示してみせた。

「改善点はまだたくさんあるが、彼らが集中力を保ち、うまく対応したことには良い意味で驚いている」と育成プログラムのチーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは語る。

「難しいコンデションかつ距離の長いラリーのほぼ最後尾を走るという状況で、彼らは柔らかくなった雪がサイドにたくさんある、深い轍の上を走ることになった。参加台数の少ないクラスで競争はあまりなかったが、皆うまくやったと思う」

小暮 ひかる/トピ・ルフティネン組 2023ラリー・スウェーデン
小暮ひかる//トピ・ルフティネン組 2023ラリー・スウェーデン
上位クラスの後にスタートするため、深い轍を攻略しなければならなかった。
上位クラスの後にスタートするため、深い轍を攻略しなければならなかった。

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