シリーズ8冠王者の離脱は、現王者でチャンピオンシップリーダーでもあるカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)のポジションをひとつ上昇させることに繋がった。しかし、ロバンペラは午後のステージでタイヤの摩耗に苦しめられペースダウンを余儀なくされる。この結果、デイ3を終えた時点での上位とのタイム差は50秒ほど拡がり、ラッピから1分14秒遅れての総合3番手となっている。
チームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合4番手ながら、SS10での遅れが響きチームメイトから3分45秒の遅れた。彼は午前中3本目のステージのスプラッシュでラジエーターを破損しただけでなく、エンジンのパワーも失いフィニッシュ直前にストップ。辛くもふたたび走り出すことに成功したが、1分50秒以上のタイムを失ってしまった。
同様の事件はオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)と勝田にも襲いかかった。勝田はオープニングのSS8でのウォータークロスでフロントを破損するとともにエンジンのパワーを失った。その後ロードセクションでラジエーターを修理したものの、競技続行は難しいとの判断からデイリタイアに。また、タナクもウォータースプラッシュの水が原因で電気系トラブルが発生し、SS9を走破した後にデイリタイアとなっている。
一方、前日のアクシデントで順位を下げていたダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)は、スプラッシュに泣いた両名とオジエのデイリタイアにより順位を上げ、総合5番手に浮上した。
彼の後方にはWRC2上位陣が並び、その先頭にはクラスリーダーとなっているMスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)がつけている。これに続くのはアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)と、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)だ。首位フルモーと2番手ミケルセンのタイム差は25.7秒。
雨予報が出ているラリー最終日のデイ4は、サービスパークがあるオルビアを起点に島北部エリアで2本のステージを2回ずつ走行する予定。そのうち、最終ステージとなるSS19“サルディニア2”は、ステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスポイントが付与されるパワーステージだ。SS16~19の合計距離は46.02km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は255.50kmとなっている。