6月17日に決勝レースを迎える第85回ル・マン24時間耐久レースに1999年以来の3台体制で挑むTOYOTA GAZOO Racing。レースウイークを前に、ドライバーたちが意気込みを語った。
2016年、トップを快走しながらも残り3分でストップし、日本のみならず、世界中のモータースポーツファンに衝撃を与えたTOYOTA GAZOO Racing。今シーズンは、昨年手にできなかった総合優勝を取り戻すべく、WEC世界耐久選手権のポイントリーダーとしてル・マンに臨む。
チームは今年のル・マンに焦点を合わせて、トヨタTS050ハイブリッドを全面改良。熱効率を高めた改良型2.4リッターV6直噴ターボエンジンや、ハイパワー型リチウムイオンバッテリーを搭載した。
空力面も見直され、ル・マンには長い直線を持つサルト・サーキットの特性にあわせ、ストレートスピードを重視したローダウンフォース仕様の空力パッケージで挑む。
ドライバー陣も、各ドライバーの経験値などからWECシリーズ戦とは変更された。7号車トヨタはレギュラードライバーの小林可夢偉とマイク・コンウェイに、ステファン・サラザンを加えた3名体制。2016年のル・マンで総合2位を獲得した布陣を復活させた形だ。
8号車トヨタは、昨年と同様、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンのラインアップで悲願達成を狙う。9号車トヨタは今年がル・マンデビューとなる国本雄資とホセ-マリア・ロペスに、ベテランのニコラス・ラピエールを加えたラインアップとなる。
トヨタは、レースウイーク前の4日(日)に行われた公式テスト、“テストデー”でベストタイム上位を独占。本戦へ向け着実な仕上がりをみせている。
「ル・マンは我々にとってシーズンでもっとも重要なレースであり、トヨタ自動車東富士研究所とドイツ・ケルンのTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)にて周到な準備を重ねて参りました」と語るのはTOYOTA GAZOO Racingの佐藤俊男代表。
「昨年以来、1年にも及ぶこれまでの献身的な頑張りに対し、関係者全員に感謝したいと思います。我々全員、昨年起こったことは脳裏に焼き付いていますが、それは既に過去のことであり、今は来週のレースに集中しています」
「テストデーもとても順調でしたが、我々にとって重要なのはトップで24時間レース決勝のゴールを切ることです。今年も非常に厳しい接戦のレースになると思っていますが、それはファンの皆様にとっては、とても見応えのあるレースとなるものと思います。チーム一丸となってこの接戦を制することができるよう、最後まで集中して戦います」