2017年から、世界屈指のコースである鈴鹿サーキットを舞台にスタートしたのが『SUZUKA Race of Asia』。近年大きな盛り上がりをみせるアジアのモータースポーツを肌で感じることができるレースだ。
メインレースとなるのは、同じく17年からスタートした『Blancpain GT Series Asia(ブランパンGTシリーズ・アジア)』。日本ではSUPER GT GT300クラスや、スーパー耐久ST-Xクラスで使用されるFIA-GT3カーによるレースだ。このFIA-GT3カーを使って、ヨーロッパではBlancpain GT Series(ブランパンGTシリーズ)というレースが開催されており、毎戦50台以上ものエントリーを集める人気となっているが、ブランパンGTシリーズ・アジアはこのアジア版として始まったもの。
初年度となる2017年から中国や台湾、香港、マレーシアといった地域のジェントルマンドライバーたちを擁するチームが参戦を開始しはじめたが、彼らはヨーロッパのGT3カーを製作する自動車メーカーのバックアップを受けつつ、非常に高いレベルのレースを展開してきた。また、これまでアジアのレースで見られがちだった曖昧なジャッジも、ヨーロッパ基準のものが採用され、こちらもレベルが高まっている。
特にそのレベルの高さを感じさせたのが、2017年の『SUZUKA Race of Asia』。このレースと、それに続く富士スピードウェイでのレースでは日本チームがスポット参戦したが、ヨーロッパ基準に合わせたハイレベルなレースに、ひと筋縄ではいかない戦いを強いられた。もちろん日本チームのレベルも高いのは間違いないのだが、アジアの舞台で戦うにはある意味での“慣れ”が必要であることを痛感させたのだ。
2018年はすでにマレーシア・セパンサーキットでの第1戦が行われており、このレースには29台のGT3カー、そして近年そのコストのリーズナブルさで続々と台数が増えるGT4カーがエントリーした。シリーズの主役と言えるのは、昨年もチャンピオンを獲得したメルセデスAMG GT3を走らせるGruppeM Racing Team。メルセデスの力が入れられた強力なラインアップで、昨年も『SUZUKA Race of Asia』で1勝を飾っているほか、2018年第1戦でも2勝を挙げている。
これに対抗すると思われるのが、アウディR8 LMSを走らせるPhoenix Racing AsiaやAbsolute Racing、OD Racing Team WRT、ランボルギーニの強力なバックアップを受けるFFF Racing Team by ACM、フェラーリを走らせるHubAuto Corsa、ポルシェのアジアにおける主要カスタマーであるCraft-Bamboo Racingといったところか。
いずれも各自動車メーカーのファクトリードライバーが乗り込むことが多く、鈴鹿の経験不足などまったく感じさせないスピードは必見だ。もちろん、迎え撃つ日本勢も黙ってはいないだろう。アジア最強を決める一戦は見逃すことができない。