バイコレス・レーシングのオーナーであるコリン・コレスは、1997年F1ワールドチャンピオンで95年のインディ500ウイナーであるジャック・ビルヌーブを将来、自身のチームのドライバーに迎えることを検討していると語った。
ビルヌーブは、先週スペインのカタロニア・サーキットで行われた2日間のテストにおいて、バイコレスがWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに送り込もうとしている『ヴァンウォール・バンダーベルLMH』で走行した4人のドライバーの内のひとりだった。
51歳のカナダ人ドライバーは、エステバン・グエリエリ、トム・ディルマン、そしてスーパーGT GT300クラスチャンピオンであるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと一緒にステアリングを握った。
コレスは、バルセロナでのテストは、ビルヌーブがギブソン製4.5リットル自然吸気V8エンジンを搭載したノンハイブリッドのLMHマシンの運転を楽しめるかどうかを確認するためだったと説明している。
そのビルヌーブは、2008年のル・マン24時間レースでプジョーのドライバーとして2位表彰台を獲得した経験を持つ。近年はNASCARのイベントや、GTレースにも時折参戦している。
コレスはSportscar365に対し、「(ビルヌーブから)電話をもらって、それから合意して、彼がテストできるように手配した」と述べた。
「とても自発的な行動だった。周囲の環境も人々も知っているので、ある程度の信頼関係があり、だからこそできたことだ。ジャックの意図は非常に明確だ。非常に高い目標だがあり、その意図はル・マンを制することにある」
ビルヌーブがヴァンウォールの名を冠するチームのレースシートを獲得する可能性はあるのか、という質問に対しコレスは次のように述べた。「そうだ。この練習の目的は、彼がそれを楽しめるかどうかを確かめるものだった」
「そこから先に行くには、また議論をして多くのテストを行う必要がある。何年もダウンフォースカーで走っていなければ、ふたたびそれに慣れる必要がある」
「(テストの)目的は、ドライバー同士のシュートアウトをすることではなかった。繰り返しになるが、練習の目的は彼が楽しんでいるかどうかを確認することだったんだ」
バイコレスは2023年シーズン、WECの最高峰カテゴリーであるハイパーカークラスにヴァンウォールLMHを少なくとも1台投入する予定であり、グエリエリとディルマンがドライバーラインナップの一部を形成するとみられている。
コレスは、2台目の参戦は可能だが、そのための資金を確保できるかどうかに掛かっていると説明した。ヴァンウォールLMHのセカンドシャシーは、先月ムジェロで登場し、ポール・リカールとバルセロナで行われたテストに参加した。