最高峰クラスに総勢16台がエントリー。トヨタ、ル・マン6連覇なるか【スケジュール＆基本情報／WEC第4戦ル・マン】

　2023年WEC世界耐久選手権の第4戦が6月7～11日、フランスのル・マンにあるサルト・サーキット（ル・マン24時間サーキット）で開催される。

　前戦スパから約1カ月の準備期間を経て行われる今大会『ル・マン24時間レース』は、シリーズ全7戦のなかで唯一の24時間レースであり、各チームがメーカーの威信をかけて勝利を目指すシリーズハイライトとなる一戦だ。

■3クラスから61台、ガレージ56を含め全62台が参戦

　さらに今大会は、初開催の1923年第1回大会から数えてちょうど100周年の節目を迎えるメモリアルレース。そのため、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツはポルシェ963“ワークスカー”を追加投入し、カスタマーカーをあわせて4台体制を敷く。また、第3戦スパでは1台のエントリーだったグリッケンハウス・レーシングももう1台のグリッケンハウス007を追加投入、さらに北米からはアクション・エクスプレス・レーシングが311号車キャデラックVシリーズ.Rでエントリーするなど、総合優勝を争うハイパーカークラスは近年随一の盛り上がりをみせている。

　よって今大会の最高峰クラスは計7メーカーのマシンが集い、前年比3.2倍に相当する総勢16台によって争われることとなった。

　一方のLMP2クラスは、WECレギュラー組や各地域のル・マン・シリーズを制し自動招待枠を勝ち取ったチーム、さらにはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズで好成績を収め、ル・マンへの参戦権を得たパニス・レーシングやクール・レーシングなどの顔ぶれが加わり、プロ／アマクラスを含めて計24台がグリッドに並ぶこととなった。

　今季限りでカテゴリーそのものが消滅しGT3カテゴリーへと置き換えられるため、今大会が最後のル・マン24時間となるLMGTEアマクラスは、こちらもELMSやAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権からの招待を含む特別エントリーが多数あり、その中にはケイ・コッツォリーノ／辻子依旦／横溝直輝組74号車フェラーリ488 GTEエボも含まれている。GTEアマクラスのエントリー台数は21台だ。

　また、章典外の“ガレージ56”枠からの参戦となるヘンドリック・モータースポーツは、シボレー・カマロZL1を使用し、ジミー・ジョンソン／マイク・ロッケンフェラー／ジェンソン・バトン組という“夢のトリオ”でエントリー。そのマシンは、NASCARカップシリーズを走るカマロZL1にル・マンで走るために専用の装備が施された特別仕様で、6月4日のテストデー・セッション2ではLMGTEアマクラスを上回るタイムを記録するなど、今レース注目の1台となっている。

■舞台となるサルト・サーキットは大半が公道区間

　ル・マン24時間レースが行われるのは、フランスのサルト県ル・マン市郊外にあるサルト・サーキット（正式名称ル・マン24時間サーキット）だ。ブガッティ・サーキットと呼ばれる常設コースの一部と公道区間を組み合わせてできており、1周の距離は13.625kmとなる。コースは、最高速に達する直線区間と大きな減速を強いる低速コーナーをつなぎ合わせたレイアウトが特徴として挙げられる。

　また、公道区間や『ポルシェカーブ』の名でよく知られるゾーン8の高速右コーナーなどはランオフエリアが狭いため、異なるクラスとの混走で行われるWECでは危険性をはらむエリアとなる。16台のハイパーカークラスのマシンを含む、3クラス全62台がスリリングなコースを高速で駆け抜ける姿は注目だ。

　今レースの予選は、7日（水）のプラクティス後に行われ、同セッションで各クラス上位8台につけたマシンが翌8日（木）のハイパーポール・セッションでポールポジションを争うかたちとなる。

　サーキットの基本データやレースウイークのタイムスケジュール、TV放送予定、最新エントリーリストなどは以下のとおり。なお、現地ル・マンと日本との間には、7時間の時差がある。

■イベント正式名称

24 HOURS OF LE MANS

■サーキット＆イベントデータ

・名称：ルマン24時間サーキット
・全長：13,625.7m
・コーナー数：33
・レース距離：24時間

■タイムスケジュール（6月7日現在）

※日本時間（現地時間）

・6月7日（水）
21：00～翌0：00（14：00～17：00）　フリープラクティス1
翌2：00～3：00（19：00～20：00）　予選プラクティス
翌5：00～7：00（22：00～0：00）　フリープラクティス2

・6月8日（木）
22：00～翌1：00（15：00～18：00）　フリープラクティス3
翌3：00～3：30（20：00～20：30）　ハイパーポール
翌5：00～6：00（22：00～23：00）　フリープラクティス4

・6月9日（金）
走行スケジュールなし

・6月10日（土）
19：00～19：15（12：00～12：15）　ウォームアップ
23：00～翌23：00（16：00～翌16：00）　決勝

■TV放送／映像配信予定

・J SPORTS
6月7日（水）
21：00～翌1：00　公式練習1（J SPORTS オンデマンド）
翌2：00～4：00　予選（J SPORTS オンデマンド）

6月8日（木）
翌5：00～8：00　公式練習2（J SPORTS オンデマンド）
22：00～翌2：00　公式練習3（J SPORTS オンデマンド）
翌3：00～4：54　ハイパーポール（J SPORTS オンデマンド）

6月9日（金）
5：00～7：00　公式練習4（J SPORTS オンデマンド）

6月10日（土）
19：00～20：15　ウォームアップ走行（J SPORTS オンデマンド）
22：20～翌2：00　Part1【スタート】（J SPORTS 1）
翌2：00～5：30　Part2【サンセット】（J SPORTS 1）

6月11日（日）
5：30～9：00　Part3【ミッドナイト】（J SPORTS 1）
9：00～12：30　Part4【トワイライト】（J SPORTS 1）
12：30～15：00　Part5【サンライズ】（J SPORTS 1）
15：00～18：00　Part6【サバイバル】（J SPORTS 1）
18：00～21：00　Part7【クライマックス】（J SPORTS 1）
21：00～翌0：00　Part8【ゴール】（J SPORTS 1）

■ライブタイミング＆ストリーミング

・FIA WEC公式ページ
https://www.fiawec.com/

■2023年WEC第4戦ル・マン　最新エントリーリスト（5月31日付）