今年から日本で武者修行を始めているジュリアーノ・アレジ。今週末に行われる全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦オートポリス大会でも、中嶋一貴の代役としてKuo VANTELIN TEAM TOM’Sから参戦し、自身の主戦場である全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権と合わせて、2度目のダブルエントリーを果たす。
スーパーフォーミュラ初参戦となった第2戦鈴鹿では、いきなり予選Q3に食い込む走りを披露。決勝ではスタートでポジションを落としてしまったものの、徐々にリズムを掴み、ところどころオーバーテイクも決めて9位フィニッシュ。見事ポイントを獲得した。
「初めてのスーパーフォーミュラのレースだったんだけど、しっかりとパフォーマンスを見せられることができてよかったと思っている。とにかく、僕にとってはすべてが初めての経験だから、毎周ラップを重ねていくなかでクルマのことを学んでいっている状態だった」
「とくに予選ではQ1(A組2番手)とQ2(5番手)の感触も悪くなくて、Q3(8番手)ではもう少し攻め込んでみたんだけど、うまくいかなかった。でも、レースウイークに入る前はQ3にいくことが目標だった」
「あそこまでのポジションにいければ、ポイント獲得のチャンスも出てくるし、実際にそうなった(9位入賞)。そういう点で本当にハッピーだったと思うし、そこからより良くするために何をしなければいけないかも明確になった。この経験をもとにさらに前進していきたい」
「スーパーフォーミュラはハンドクラッチだが、GP3やFIA-F2で経験していたから、そんなに不安になることはなかった。ただ、鈴鹿でのスタートはうまくいかなかった。クラッチのバイトポイント(クラッチの繋がるタイミング)をうまく合わせることができなくて、動き出しのときに失速してしまった。そこも合わせ込んでいけば、問題は解決できると思っている」
そう鈴鹿大会を振り返ったジュリアーノ。限られた走行時間のなかで最大限のパフォーマンスを発揮するために、チームが手厚いサポートをしてくれたことも大きかったという。
「僕にとって、スーパーフォーミュラのデビュー戦だったけれど、決して悪いスタートではなかったと思っている。チームも僕が走りやすい環境を整えてくれて、最大限のサポートをしてくれた。すごく感謝をしている」
しかし、スーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーということで、ジュリアーノの鈴鹿での週末は想像を絶するほど忙しいものだった。とくに日曜日のスーパーフォーミュラ決勝レースが終わると、すぐにスーパーフォーミュラ・ライツ第6戦のスタート進行が始まるため、レーシングスーツを着替えてスーパーフォーミュラ・ライツのマシンに乗り込まなければならない。
ジュリアーノはスーパーフォーミュラ決勝を終えてピット入り口付近にあるパルクフェルメ(車両保管場所)でマシンを降りると、ピット出口に一番近いところにあるトムスのピットへ猛ダッシュしている姿も見られた。
「ダブルエントリーは正直クレイジーな経験だったね(笑)」と感想を述べたジュリアーノだが、その分、全体的な走行距離が増えることは自分にとってはプラスなことだと、かなり前向きに捉えていた。
「僕自身は楽しんでやることができた。ただ、スケジュールがタイトすぎて、ゆっくりトイレに行く時間もないという感じだったけれど、僕にとっては本当に素晴らしい経験だった」