現在のスーパーフォーミュラは、マシン1台に対して複数のエンジニアが張り付き、細かなデータ分析とドライバーのフィードバックからマシンのセットアップを作り上げていく傾向がある。ローソンはそれを実戦で経験する一方、ヨーロッパに戻るとF1のシミュレーターに乗って毎日エンジニアとやり取りを行っている。

 この経験がF1だけでなくスーパーフォーミュラでも活きている様子で、「今回の富士テストでは、リアム(ローソン)のフィードバックがかなり改善されてきているなと思いました」と15号車担当の小池智彦エンジニアは語る。

「FIA F2やFIA F3では、チームがドライバーに対してセットアップをまったく公開せず、与えられたクルマをドライビングでアジャストするらしいのですけど、スーパーフォーミュラはドライバーとチームでクルマを作り上げていきます。その部分はF1に近いのかもしれません」

「彼はF1でシミュレーターに乗ったりしていますけど、やり方が(スーパーフォーミュラに)近いと言っています。そういった意味で、彼にとって(スーパーフォーミュラで走ることは)勉強になっているのかなと思います」

小池智彦エンジニア/リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
小池智彦エンジニア/リアム・ローソン(TEAM MUGEN)

 常に“学ぶ姿勢”を忘れず、スーパーフォーミュラやF1リザーブドライバーとしての経験を次に活かそうとしているローソン。シーズン序盤と比べても着実に力をつけている印象がある。しかし、目標とするスーパーフォーミュラチャンピオン獲得のためには、ランキング首位の宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)との12ポイント差を逆転しなければならない。

 前回の第5戦SUGOは宮田の独走劇が際立つレース内容となり、シーズン序盤戦に群を抜く強さをみせてきたTEAM MUGENは“追う立場”で後半戦を迎える。しかしローソンは、焦りなどを感じている様子はない。

「正直に言うと、スピードに関しては(宮田)莉朋に負けていないと思う。ただSUGOで僕たちはポイントを取りこぼしてしまっただけだ。僕たちも良いスピードを持っているわけだから、それを後半戦でもしっかりと発揮していくことに集中したい」

「今回の富士テストでは2日間を通していろいろなことを試すことができた。予選のシチュエーションもそうだし、2日目の午後はレースを想定したテストも行った。さまざまな収穫があったから、そのデータをレース本番に向けて活かすことができれば良いなと思う」

 7月の第6戦富士からシーズン後半戦に入る2023年のスーパーフォーミュラ。チャンピオン争いも佳境に差し掛かっており、そのなかで常に進化を続けるローソンがどんな戦いぶりを見せるのか。残り4戦、ますます目が離せない。

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト リアム・ローソン(TEAM MUGEN)

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