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スーパーGT ニュース

投稿日: 2017.08.17 11:48
更新日: 2018.04.03 10:50

つねに限界で走れるかが肝/GT300マシンフォーカス:アウディR8 LMS

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スーパーGT | つねに限界で走れるかが肝/GT300マシンフォーカス:アウディR8 LMS

 このコーナリング性能は市販車のアウディR8も同様だ。使われているダンパーやタイヤは量産車のR8とGT3カーのR8 LMSで違うのだが、R8がコーナリングしているときの動きのしなやかさは、レーシングカーのR8 LMSに通ずるところがあるという。

 一方で、ウラカンGT3の兄弟車で、搭載するエンジンはV型10気筒と聞くと、ハイパワーなイメージを抱くかもしれない。しかし、ストレートの加速感について、「重さを感じる」と柳田は表現した。

「エアリストリクターで(パワーを)けっこう絞られています。“V10”と言えばハイパワーなイメージがあるけど、ここまで絞られてしまうとね。(取材を行った第4戦SUGOでは38mm×2のエアリストリクター装着が義務付けられた)」

「エアリスの影響で低速から高速にいくまでの過程が遅いんです。高回転域に入ってしまえば安定して走れるので、伸びしろはあります」

 先に述べたように、R8 LMSは市販車のR8をベースに造られたレーシングカー。開発も量産モデルのR8と並行して進められ、生産されている工場も同じだ。使われているパドルやエアコンの吹き出し口など、市販車とのパーツ共有率は50%にものぼる。

アウディR8 LMSと市販車R8とのパーツ共有率は50%にものぼる。ドアハンドルも共有だ
アウディR8 LMSと市販車R8とのパーツ共有率は50%にものぼる。ドアハンドルも共有だ

「(走行中の)音がね、まったく一緒なんです。それから使っているパドルが同じだから、ステアリングを握ってパドルを触る感覚とかも(市販車と)一緒。(R8とR8 LMSは)かなり似ていると思います。座っている感覚とかもね。そこは面白いなと思いますね」

「動きがマイルドでいいのですが、かといってぐにゃぐにゃすぎてワインディングを走れないというわけでもないですし」

■R8 LMSのアドバンテージはフロントタイヤへの“優しさ”

 プロレーシングドライバーの柳田をもってして「すごくよくできている」と言わしめたR8。レーシングカーR8 LMSが持つポテンシャルの高さは、市販車のR8が備える基本性能のよさなのだろう。

 Audi Team Hitotsuyamaは2016年からタイヤをダンロップにスイッチした。2017年はR8 LMSとダンロップタイヤの組み合わせで2年目となる。R8 LMSとダンロップタイヤとの相性はどうだろうか。

Hitotsuyama Audi R8 LMS
Hitotsuyama Audi R8 LMS
Hitotsuyama Audi R8 LMS
Hitotsuyama Audi R8 LMS

「路面、タイヤ、クルマがきれいに1本の線で決まれば、すごくうまくはまる」と柳田は語る。コーナリング性能を生かすも殺すもタイヤ次第。「タイヤさえよければクルマのセッティングが多少きまっていなくても、ピーキーな動きは消える。タイヤがよくてクルマもマッチしていれば、さらによくなる」のだという。

「今のGTというのは、少しでもタイヤが合わなかったり、少しでもセッティングが外れたりするだけで、それがとても大きな差になってしまいます。それはGT500でもGT300でも同じです」

「タイヤのマッチングもすごく大きなファクターで、そこを少しでも間違えると、優勝争いの権利をなくしてしまうんです」

「(ダンロップタイヤは)ロングランしていても性能が落ちないですし、R8 LMSはミッドシップ車でフロントに対する負荷が少ないので、(そういった部分での)アドバンテージはかなりあるんじゃないかと思います」

 Hitotsuyama Audi R8 LMSは第5戦富士で今季初入賞を果たした。ダンロップタイヤとのきれいな1本線を描きつつあるのかもしれない。今シーズンのスーパーGTも残り3戦。R8 LMSが見せる戦いに注目だ。

Hitotsuyama Audi R8 LMS
Hitotsuyama Audi R8 LMS


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