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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.11.06 21:17

4台がリタイアしたマルチクラッシュ、SC中の追突、ホイール脱落の原因【第8戦GT500&GT300事件簿】

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スーパーGT | 4台がリタイアしたマルチクラッシュ、SC中の追突、ホイール脱落の原因【第8戦GT500&GT300事件簿】

 11月6日、モビリティリゾートもてぎで開催された2022年シーズンのスーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』は序盤から両クラスで荒れた展開となった。ここでは、決勝中に起きたクラッシュ、トラブル、アクシデントの当事者に“あの時何があったのか”を聞いた。

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■「さけられないアクシデントだった」と30号車永井宏明

 22番手スタートから前方の61号車SUBARU BRZ R&D SPORTを追っていた30号車apr GR86 GTの永井宏明。GT500クラスの隊列が後方から接近する中、オーバーテイクの機会を伺っていた。しかし、7周目の3コーナーでGT500クラスの36号車au TOM’S GR Supraが右フロントと30号車の左リヤがわずかに接触。このはずみでスピンを喫した30号車に24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z、25号車HOPPY Schatz GR Supraが接触。さらに、25号車のリヤに39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが追突し、計4台がリタイアするレーシングアクシデントとなった。

 レース終了直後、永井はこのレーシングアクシデントについて「後ろから36号車が止まりきれずにぶつかってきたというふうに僕は感じてます」と振り返った。

「コース上でスピンするかたちになり、すぐ後ろにいた後続の人たちに追突された感じになりました。僕がコース上に止まって、やむを得ずぶつかった人もいるので、そこは申し訳ないなと思いますね。避けられないアクシデントだったと思います」

 特に24号車のリヤと接触した左フロントの損傷が激しく、ピットまでの自走は叶わずリタイアに終わった30号車。

「(今シーズンは)いいこともあれば、今回のように悔しいこともありましたね。けど、少しはドライビングも上手になったかなと思います。チームで、みんなで、嬉しいことも悔しいことも経験してきて、もう一段強くなったと思いますね。来年に向けて、しっかりと体制を作って、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思います」と語った永井。その視線はすでに2023年開幕戦を見据えている。(TK)

■マルチクラッシュの起点となってしまった36号車au TOM’S GR Supra

 予選でアタックラップに入るのに2秒足りず、予選最後尾の15番手からスタートすることになった36号車au TOM’S GR Supra。レースではペースがよく順位を上げていた8周目の3コーナーで、GT300と接触してしまった。スタートを担当した坪井翔がその状況を振り返る。

「まだきちんと検証ができていないので、自分の主観でしかないのですが、3コーナーに行くまでに24号車が一番右にいて、25号車が真ん中にいて、その左のイン側から僕は抜こうとしていて、自分はダートに出ながら25号車を抜きながら走っている状況でした」と坪井。

「ブレーキングして、フラフラした状態で3コーナーのインに入っていったのですけど、前に30号車がいて、30号車を抜くか抜かないかというシチュエーションだったのですけど、正直、30号車からは僕の姿が見えていたのか、見えていないのか定かではなかったのですけど、インを開けてくれている感じがあったので(インに)入りました。ダートからコースに戻っていたのですけど、そこで30号車は被せてくるような感じだったので見えていないのかなと思いつつ、さらに左に避けてまたダートに出て、ぶつからないように細心の注意を払っていたのですけど、そこから30号車がもうワンクッション、さらに切り込んでインに入ってきました。僕はもう左がダートに出ていてフルブレーキングしている状況だったので行き場がなくて、僕の右前と30号車の左後ろが当たってしまいました」

「あのシチュエーションのなかでは、やれることはやっていて、もうちょっと『見えてない』と思って引けばよかったのですけど、そこまでは……その判断は難しかったです」と、説明する坪井。

「結果的に当たってしまったことは申し訳なかったですし、それで僕のエアロも壊れてきちんと走れなくなってしまったので、非常に残念な接触でした。あそこまで切り込まれてしまうと……。結果的にレーシングアクシデントということだったので、そこはジャッジの人が切り込んでいることをきちんと見てくれての結果だったと思っています。ぶつかってしまったことによって、30号車のレースも終わってしまって、こちらのレースも終わったようなものなので、もったいなかったと思います」

 結果的に9位で完走した36号車だが、30号車の接触によってエアロの破損がなければさらに上位も見えていただけに、悔しい最終戦となってしまった。(TM)

フロントのエアロが破損も9位で完走した36号車au TOM’S GR Supra
フロントのエアロが破損も9位で完走した36号車au TOM’S GR Supra

■マルチクラッシュでラジエターを損傷してしまったDENSO KOBELCO SARD GR Supra

 予選12番手からスタートして、8周目の3コーナーのマルチクラッシュに巻き込まれてリタイアしてしまった39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra。スタートドライバーを務めた中山雄一が、クラッシュ時の状況を説明する。

「GT300の集団のなかをGT500が抜きに行っている混雑した状況で、そのなかでGT500のクルマが5台くらい争っていて、その5台パックとGT300の数台のパックが合わさってしまってしまいました」

「(走行後に自分の)オンボード映像を見た感じだと、36号車(au TOM’S GR Supra)が3コーナーのインでダートに落として縁石の上で跳ねながら、曲がっている30号車(apr GR86 GT)と接触して、30号車がスピンして内側に入ってきて、24号車(リアライズコーポレーション ADVAN Z)が30号車にぶつかって、減速していた24号車に25号車(HOPPY Schatz GR Supra)がぶつかって24号車は飛んで行って、25号車がまた30号車にドーンとぶつかって、その25号車に僕がぶつかって、その僕の後ろにもう1台ぶつかって、前後からぶつかってグチャグチャでした」と中山雄一。

 前後からの衝撃を受けた39号車は、フロントのラジエターが破損。割れたラジエターから冷却水が漏れていたため、中山はすぐにマシンを止めた。

「荒れたレースだったというのはありますけど、14号車(ENEOS X PRIME GR Supra)が表彰台まで上がっているところを見ると、最後まで走れなかったのが残念です」と中山は不本意に終わったレースを悔しがった。(TM)

ラジエター損傷でリタイアとなったDENSO KOBELCO SARD GR Supra
ラジエター損傷でリタイアとなったDENSO KOBELCO SARD GR Supra

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