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クルマ ニュース

投稿日: 2020.04.03 11:13
更新日: 2020.04.05 11:17

「とにかく小さい」“ちょうど良い”がヒットの予感!最新コンパクトSUV/フォルクスワーゲンTクロス 実践試乗インプレッション

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クルマ | 「とにかく小さい」“ちょうど良い”がヒットの予感!最新コンパクトSUV/フォルクスワーゲンTクロス 実践試乗インプレッション

 話題の新車や最新技術を体験&試乗する『オートスポーツweb的、実践インプレッション』企画。お届けするのは、クルマの好事家、モータージャーナリストの佐野弘宗さん。

 第5回は、2019年末に日本に上陸したフォルクスワーゲンTクロスです。トヨタCH-R、マツダCX-30、ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズなど国産勢でも人気モデルが揃っているコンパクトSUV市場に、最後発として登場したのが、新キャラクターのTクロス。

 エンジンもボディサイズも小さいけれど、なぜか不思議な存在感がある一台。その“不思議”を解き明かしていきましょう。
 
* * * * * *

■ 新商品の投入に慎重派なVWが一転、勝負に出た

 日本でもすっかりお馴染みとなった『コンパクトSUV』という表現は、世界共通の言葉である。ただ、それが指し示すイメージは国によって微妙に異なる。

 北米や中国でコンパクトSUVというと、全長4300〜4400mm強くらいのそれを指す。

 日本車ならトヨタC-HRやマツダCX-30、ミツビシ・エクリプスクロスなどだ。米中という世界の二大市場がそうなので、それ以外の国でも、このあたりのクルマをコンパクトSUVと定義するケースが多い。

 いっぽう、日本ではトヨタ・ヤリスやホンダ・フィットなどのBセグメントハッチバックをコンパクトカーと呼ぶ習慣も手伝ってか、コンパクトSUVというと、それらと骨格を共有するSUVがイメージされる。

 ニッサン・ジューク(従来型)やマツダCX-3、スズキ・エスクードなどの全長4300mm未満のSUVがそれにあたる。

 こうした世界基準では“スモールSUV”とでもいうべきクルマは、日本と同じく欧州でも人気だ。考えてみれば、日本と欧州(とくに旧西欧圏)は、都市部の道も狭く、クルマに飽きて大きなクルマに幻想を抱かない人(?)が多い成熟市場……という点でよく似ている。

Tクロスのサイドスタイル
Tクロスのサイドスタイル

 それはそうと、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、新商品に対してとにかく慎重な社風である。2010年発売の初代ミニ・クロスオーバーやニッサン・ジュークが欧州でヒットして、4〜5年のうちにルノー・キャプチャーやプジョー2008、フィアット500Xなど欧州主要メーカーがこぞって参戦しても、当時のVWは動かなかったのだ。

 今回のTクロスは、そんなVWが欧州で2019年春頃に、日本では2019年末に発売したクルマだ。基本骨格は同社のBセグメントハッチバック『ポロ』と共有する。

フォルクスワーゲン・ポロ
フォルクスワーゲン・ポロ
Tクロスのリヤスタイル
Tクロスのリヤスタイル

 その4115mmという全長からスモールSUVにあたるが、これはとくに小さい。欧州SUVでもほぼ最小サイズであり、日本車でもこれより全長が短いSUVは、ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ、そしてクロスビーなどのスズキしかない。

 これは小さすぎ?……とツッコミを入れる人もあろうが、話はこれで終わりではない。欧州事情に詳しい人はご承知のように、これに先立つ2017年秋、VWはTクロスの兄貴分となる『Tロック』も欧州で発売している。

■Tクロスの次はTロックも日本上陸予定? VWの矢継ぎ早の進撃

 全長およそ4250mmというTロックも世の中的にはスモールSUVにあたるが、全幅は1820mmあり、2.0リッターガソリンターボや2.0リッターディーゼル、そして4WDなど、上級メカニズムやバリエーションも豊富である。

 実際には少し大きめのコンパクトSUV群と競合する想定のようだ。そんなTロックも(今のところは)2020年中の日本発売を計画している。

フォルクスワーゲン Tロック
フォルクスワーゲン Tロック
Tロックのコクピット
Tロックのコクピット
Tロックのフロントシート
Tロックのフロントシート


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