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投稿日: 2023.03.30 16:15
更新日: 2023.03.30 16:19

【関谷正徳のニッポン・レース改革論/第3回】日本と海外の運転技術、マナーの違いから考えるモータースポーツ文化

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P会員 | 【関谷正徳のニッポン・レース改革論/第3回】日本と海外の運転技術、マナーの違いから考えるモータースポーツ文化

 日本人初のル・マン24時間レース総合優勝者として、現役引退後は後進の育成や自ら立ち上げたカテゴリーの運営と、国内モータスポーツでさまざまな立場で積極的な活動を続けている関谷正徳によるオートスポーツweb不定期コラム。関谷氏が今、伝えたい、現在の日本モータースポーツ界への提言を『改革論』という形で訴えます。第3回目は日本と海外の運転マナーやテクニック、ルールの違いなどを語ります。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 みなさま、こんにちは。今回は日本と海外の運転マナーやルールの違いについてお話ししたいと思います。まず私が感じていることは『日本人はマナーが良い』と言われていますが、実はクルマの運転に関してのマナーはそれほど良くないということです。これは日本の運転免許取得時の制度を含め、どこかが間違っているのだと思います。『この運転はダメ』『この運転は危ない』という共通認識がしっかりと伝わっておらず、クルマという機械の理解とともに、『このように運転するべき』という技術の部分について日本のドライバーは理解が浅いと感じています。

 日本では運転免許取得の際には、まずクルマの運転免許を取ることが目的になっていて、道路をうまく走ろうという目的にはなっていません。運転免許を取得する際には学科試験がありますが、ほとんどの方が実際に道路に出るときには勉強した内容を忘れてしまっているのではないでしょうか。内容を忘れてしまうとルールは守りようがありませんし、忘れてしまったルールは守ることができないので、当然のように運転マナーはどんどんと悪くなってしまうと私は思っています。

 一方で海外では、たとえば日本で言う走行車線側のクルマが追い越し車線のクルマより速く走っているということはほぼ見たことがありません。むしろ走行車線側から追い抜かれてしまうと、追い越し車線にいるドライバーは“恥ずかしい”という気持ちになる文化があることを感じます。いわゆる『カッコ悪い』運転ですね。日本のドライバーはそのような気持ちや考えはありませんが、海外のドライバーにとっては、その恥ずかしい気持ちは当たり前のことで『マナーを守らない運転はカッコ悪い』という考え方が染み付いています。

 海外では、運転マナーを守らなければ警察の取り締まりが厳しく、すぐに捕まってしまうということがあります。トラックが追い越し車線をずっと走っていたらすぐに捕まります。日本人の感覚からすると厳しいと感じますが、海外はそういった厳しい取り締まりを繰り返し行ってきたことにより、現在の運転マナーの良さに繋がってきたのだと思います。少し言い方は悪いかもしれませんが、日本では違反しそうな場所に警察官が待っていたり、高速道路ではスピード違反のクルマをメインに取り締まりをしているように感じます。

 ですが、海外ではキープレフトを守らないドライバーや、追い越し車線を長い時間走行しているクルマなどを取り締まっているので、日本の運転マナーが悪いという部分に関しては、警察の取り締まる内容も関連しているのではないかなと感じています。

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