何度もテレビのモニターに大写しになるタイヤのスロー映像。前後タイヤの表面からゴムが剥がれたような筋状のものが見える。オーストリアGPでは多くのドライバーが無線でタイヤのブリスターについて不満を言っているように見えた。
14周目、ルイス・ハミルトンは早くもリヤタイヤのグリップ低下を訴えた。
メルセデス(以下、MGP)「タイヤのフィードバックをしてくれ」
ハミルトン(以下、HAM)「とてもオーバーステア傾向だ。リヤタイヤが良くない」
24周目には首位を走るバルテリ・ボッタスもフロントタイヤにブリスターが見えると報告する。
ボッタス(以下、BOT)「左フロントの内側に少しブリスターが出てきている」
タイヤに掛かる負荷が大きい上位マシンだけでなく、ザウバーのマシンでもこの現象は起きていた。
ザウバー(以下、SAU)「タイヤはどう?」
マーカス・エリクソン(以下、ERI)「左フロントにブリスターが出ている」
しかしペースが落ちるわけではない。ピレリのフロントタイヤ内側にできるブリスターは、タイヤの接地面ではないためパフォーマンスには影響しないからだ。事実、ブリスターが出ていながらもボッタスはペースを維持して40周目まで走り続けた。