ハンガリーGPの日曜日のお昼、フェラーリの「メディア・ユニット」と呼ばれるモーターホームでランチを摂っていたら、「同席していいか?」と言って、一緒のテーブルに座って来た男がいた。元世界チャンピオンのジャック・ビルヌーブだ。
イタリア語も堪能で、スカイ・イタリアのテレビ解説もしているビルヌーブがフェラーリのモーターホームでイタリア料理を食べることは決して珍しくない。だが、元世界チャンピオンなら、フェラーリのメディア専用である「メディア・ユニット」で提供されているビュッフェ式ランチでなくても、ほかのモーターホームできちんとしたコース料理だって食べられたはずだ。
現在、F1のパドックでメディアにランチを提供しているチームは、4チーム。メルセデス、レッドブル、フェラーリ、そしてマクラーレンだ。いずれも予算が豊富なビッグチームだ。
これらのチームのモーターホームはすべてのメディアに対して、ランチを提供しているため、ビュッフェ式となっている。これに対して、ビッグ4チーム以外のランチは限られたメディアのみに対応しているが、きちんとしたコース料理となっている。
ビルヌーブは、この限られたメディアに属しており、どこへ行ってもコース料理のランチを摂ることができる。ただし、ハンガリーGPでは、あるチームがビルヌーブを出入り禁止にしていたのである。それはウイリアムズだ。理由は、ビルヌーブが開幕前からウイリアムズのルーキーであるストロールに対して、「F1史上最悪のルーキー」などと酷評を繰り返していたからだ。