■フェラーリ:2017年向けの開発を応用か?
フェラーリの最近のアップデートは、メルセデスほど全般的なものではなく、フロントウイングにこれまでと違うパーツを追加したり、シャシー下面に新しいフィンを加えたりした程度にとどまっている。
好奇心をそそるのは、このシャシー下面に設けられた新しいフィンだ。これはスプリッターの上方、モノコック底面が高く持ち上げられている部分に追加された、ごく小さなベーンである。
その基本的な機能は、それよりも少し前方のフロントサスペンションの下にある、ターニングベーンと同じだろう。つまり、フィンの下流の空気の流れをコントロールして、フロントタイヤの後流が車体中央のボディワークのほうに流れないようにすることだ。
なぜこれが興味深いかと言えば、2017年のルールでは、この領域のデザインの自由度が現在よりも高くなるからだ。要するに、フェラーリは来年用に考えている開発部品のうち、いくつかは今年のクルマにも使えることに気付いたのかもしれない。
フロントウイングの両端部も、ややアグレッシブさを増した形状になっている。ただ、その違いはほんのわずかで、新旧2つの仕様のフロントウイングを並べて見ない限り、なかなか気づかないかもしれない。
具体的に何が変わったかと言えば、ウイングの外寄りにあるアーチ状(前方から見て)の部分の形状だ。これが以前より高くなり、かつ丸みを帯びたのである。とはいえ、それでもまだメルセデスの同じ部分にある矩形のアーチと比べると、相対的には小さい。
このアーチの目的は、ウイング下面で強い渦流を発生させて、フロントタイヤ周辺の気流を外側へ導くことにある。
ウイングの形状以外では、エンドプレートにも変更が加えられた。これもまた微妙な違いではあるが、垂直なベーンのアンダーカットが大きくなり、そのベーンの外側にストレーキが追加されている。
■レッドブル:ハロの空力的影響を測定
レッドブルの成績は確実に上向いているが、不思議なことに、RB12には明らかにそれとわかるような開発の形跡が見られない。イギリスGP後のインシーズンテストで、レッドブルは初めてコクピット保護デバイス「ハロ」を試す機会を与えられた。
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