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F1 ニュース

投稿日: 2018.09.14 18:09

【小松礼雄のF1本音コラム】フロアの違反でグロージャン失格裁定の真実、FIAはプロのスチュワードをフルタイムで雇用すべき

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F1 | 【小松礼雄のF1本音コラム】フロアの違反でグロージャン失格裁定の真実、FIAはプロのスチュワードをフルタイムで雇用すべき

 現役日本人F1エンジニアとして、ハースF1でチーフを務める小松礼雄エンジニア。F1速報サイトで好評連載中のコラム、今回は第13戦ベルギーGP、第14戦イタリアGPをふり返り。現在のF1で起きている真相と、現場エンジニアの本音を読者のみなさまにお届けします。

 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 夏休み明けの初戦、ベルギーGPにアップデートを投入したのですが、金曜日は想定していたよりもクルマの挙動が良くなく、原因がイマイチ特定できませんでした。その夜のミーティングで土曜日のFP3では、ロマン(グロージャン)はそれ以前の仕様に戻し、ケビン(マグヌッセン)はそのまま新パッケージで走ることを決めました。

 ロマンはFP3の走り出しから感触が良く、直ぐにタイムを出してくれました。ケビンも金曜日の夜に施したセットアップの修正が良い方向へ働き、結果としてふたりとも好感触を得て予選に臨むことができました。

 予選、Q1,Q2はドライで何事もなく2台とも通過しました。予報ではQ3開始直後に雨が降るとのことだったのですが、実際はQ3開始直前に雨が降り出しました。それでも、まだピットウォールから推測できる限りではドライで行けると判断してスリックで2台とも送り出しました(他チームも皆同じ考えでした)。

 しかし、アウトラップでセクター3がもう既にかなり濡れていたので、急遽ピットインしてインターミディエットタイヤに履き替え、3周分の燃料を積んで再びコースイン。(キミ)ライコネンとレッドブルは最初のドライで出て行った時から数周分の燃料を積んでいたので、ガレージには戻らずピットストップでインターに履き替えていました。

 彼らにとって運が悪かったのは雨脚がセッション終盤に弱まり、セッション終了間際が一番コースコンディションが良かったことです。彼らはこの時まで走り続けているだけの燃料が無かったのです。うちはなんとかギリギリ最後まで走れる燃料を積んでいたのでロマンが最後に上手くまとめてくれ5番手という素晴らしい結果をだしてくれました。

 ケビンは残念ながらインターでの1周目にコースオフしてクルマにダメージを負ってしまった為、タイムが出ず9番手に留まりました。決勝は7、8位でフィニッシュし、チーム初となる2戦連続ダブル入賞を達成しました。

 ドライの予選ならおそらくフォース・インディアに勝てたと思いますが、決勝での彼らの最高速を考えると、レースで最後まで抑えきるのは難しかったでしょう。とはいえ、フォース・インディアがミディアムダウンフォースのスパ・フランコルシャン、ローダウンフォースのモンツァで強いことは判りきっていたので、彼らが最も得意とするサーキットでほぼ同じパフォーマンスを発揮できたのは良かったと思っています。

 続くイタリアGPの前にスパでの走行データを解析した結果、新パッケージが良いことが明らかになったので、モンツァには2台とも新パッケージで挑みました。FP1は雨になりましたが、FP2、FP3でのクルマの手応えも良く、自信を持って予選を迎えることが出来ました。

 ロマンはQ3でも素晴らしいアタックを決めて、予選6番手を獲得しました。しかし、ケビンは11番手でまさかのQ2敗退……。2回目のアタックでフェルナンド・アロンソと絡んでしまったわけですが、これは余計でした。アウトラップでケビンはアロンソの後ろを走っていましたが、最終コーナー手前でケビンはタイヤを温めるためゆっくり走っているアロンソを抜いたんです。

■失うものがないフェルナンド・アロンソと予選Q3進出を逃したケビン・マグヌッセン


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