21カ国で戦われた69年目のF1シーズンが終わった。409万3305人がサーキットで目撃した熱戦と激戦の数々からは歴史的な記録がつくられ、若い才能もはじけた。2018年は『F1クロニクル』に刻まれるような年だったと思う。
20人の戦士たちすべてが入賞を果たしたことは珍しいが、なかでも際立ったドライバー10人をセレクト。F1ジャーナリストの今宮純が彼らの2018年を漢字一文字で表現してみた。
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☆ルイス・ハミルトン【冠】
速い・強い・巧い。キャリア12年で半数に近い五冠をきわめた2018年、いままでにない円熟味を感じさせた。その最たるレースが14番グリッドからの勝利した第11戦ドイツGP、また第15戦シンガポールGP予選のスーパーラップも鮮やか。
☆マックス・フェルスタッペン【攻】
いまもっとも攻撃的なレーサー。2018年シーズン最多6回の“ドライバーズ・オブ・ザ・デイ”を受賞。2018年9月末に21歳になってから終盤5戦すべて表彰台を獲得。そのセルフ・コントロール(メンタル)にさらなる成長を感じる。
☆セバスチャン・ベッテル【惜】
序盤9戦までリードした“前期チャンピオン”の破綻が2018年の『メインストーリー』に。ハミルトンに負けたというよりも、自他のプレッシャーによって惜敗したといえる。長かった21戦、人一倍そう感じたことだろう。
☆フェルナンド・アロンソ【勇】
引退なのか勇退なのか、あるいは“休暇”なのか。過去に前例がない「2019年シーズンのF1不参加宣言」の真意はともかく、314戦目も“100%アロンソ”な走りをつらぬいた。2020年カムバックの可能性、0%ではないのではないか。