カナダGPはポールポジションからホールショットを奪ったセバスチャン・ベッテルとフェラーリが完璧に支配していた。メルセデスAMGにとって最大の逆転チャンスであるスタートを押さえ、そして残る唯一のチャンスであるピットストップも押さえた。
フェラーリ:プッシュしろ、プッシュだ
フェラーリは26周目にベッテルをピットインさせ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)のアンダーカットを封じた。これで逆にハミルトンはオーバーカットを狙ったが、ミディアムタイヤのグリップ低下を訴え28周目にピットインせざるを得なかった。
ハミルトン:このタイヤにはもうライフは残っていない。これ以上速く走ることは無理だ
メルセデス:OKルイス、ハンマータイムだ。ギャップがまだ充分でない。できるだけ引っ張る必要がある
ハミルトン:このタイヤはもうXXXだ
メルセデス:OK
これでピット前に1.7秒だった両者のギャップは5秒にまで広がってしまった。
しかしハミルトンは諦めず、じわじわとベッテルとのギャップを縮めて再びDRS圏内まで追い付いてきた。
これに対しフェラーリはエンジンモードを切り替えて対抗する。
フェラーリ:ハミルトンが1秒後方、DRSを使える。エンジン1を使って良いぞ
このことはハミルトンにも伝えられたが、ハミルトンはさらなる攻めの姿勢を見せた。
メルセデス:ベッテルとのギャップ1.2秒。彼は数周前からエンジン1を与えられている
ハミルトン:了解。彼にプレッシャーを掛け続けていくよ